(回答先: Re: 現在進行形でアフガンが泥沼化しつつあるのに太平楽な記事だ 投稿者 FP親衛隊国家保安本部 日時 2002 年 2 月 19 日 00:30:37)
まず、アフガニスタンで実験したのは、英国のインド支配でも活用された“古典的な”「現地敵対勢力の一方を利用した戦い」です。
しかし、この実験も、「辛味屋」さんがご指摘の通りで、「暫定行政機構設立」と「多国籍治安部隊派遣」を実現しただけで、この実験も失敗に終わるでしょう。
「アフガニスタン戦争」は「対イスラム戦争」の緒戦であり、米英連合は、緒戦から躓いてしまったということです。
(この意味で、13代目さんが疑念をもたれている「2正面同時作戦」はちゃんと放棄したのです。対共産主義というもう一つの作戦は放棄し、対イスラムという「一つの正面」だけに絞ったのです)
イラクは“悪の枢軸国”のトップになっていますが、ブッシュ政権にとって、イラク自体が主敵ではありません。
フセイン政権はブッシュ政権の“お仲間”だと思っており(「イラン−イラク戦争」はともかく「湾岸戦争」当時から)、主戦場(サウジアラビアやイラン)への導入者の役割を担う存在だと考えています。(フセイン大統領が今後アメリカの攻撃により政権から離れる可能性もありますが、そうであっても、シナリオの一部が演じられただけです)
フセイン大統領が再建中の『バベルの塔』に籠もって防衛の指揮をとれば、その筋には大きな話題を提供するでしょう。(今日本屋に行ったときにある書籍をとろうとして降ってきて床に落ちた書籍に、「イラク政府はすでに、バビロンの南城第一・第二・第三宮殿、さらに吊り庭園も復元した」とありました)
数年前、フセイン大統領の“お仲間説”を三菱系総合商社の人にぶつけたら、「彼はフリーメイソンに入っているんだって」と当然のような顔をされてしまいました。
イラク国民は、このようなふざけた戦争で犠牲を強いられてきたのです。
「湾岸戦争」の目的は、好戦的性格・軍需産業利益・イラク原油温存を別にすれば、中東地域に米軍基地を築くことです。
米軍基地を築く目的は、防衛という役割なんかではなく(フセイン政権はお仲間ですから当たり前の話です)、サウジアラビアやイスラム世界に“対立”をもたらすことです。
ブッシュ政権が今中東で画策しているのは、「アフガニスタン戦争」における北部同盟の役割を担えるシーア派やクルド人の勢力の育成でしょう。
ブッシュ政権にとっての北朝鮮は、従来から言っているように、「イスラム世界にミサイルを売るな」と恫喝する相手であっても敵ではありません。
もちろん味方でもないので、日本がお銚子に乗って攻撃するのを止めはしないでしょうが、ブッシュ政権は煽るだけで放置したままです。
ブッシュ政権が北朝鮮を攻撃するとしたら、海上臨検を振り切ってでも、イランなどにミサイルの輸出を強行し続けたときです。しかし、北朝鮮金正日政権は、ミサイルの輸出で得られる外貨と国家の滅亡を秤に掛けるような愚は絶対にしません。
日本の政権ほど愚かな外交政策を採り続ける国は希少です。
北朝鮮はミサイル輸出中止の見返りをできるだけ大きなものにしようと交渉するでしょうが、究極的にはたとえ0でも中止します。大きな見返りは、国交回復を通じての日本からの賠償金になるでしょう。
韓国の金大中大統領は、ブッシュ政権に北朝鮮攻撃を煽られても絶対に乗ることはありません。「ミサイル輸出問題」がこじれて在韓米軍が北朝鮮を攻撃するとなれば、身体を張ってでも防ぐでしょう。そして、このような事態に至らないよう、ブッシュ政権と金正日政権に懸命な外交活動を行っています。
当たり前です、北朝鮮攻撃で最大の被害を被るのは北朝鮮であり、その次が韓国です。そして、戦後最大の負担を押しつけられるのは韓国です。同じ民族がブッシュ政権やその従卒である日本政権からとてつもない災厄を押しつけられることに協力するなんてことはもちろん、座視することさえできないでしょう。
米国に魂と身体を売った日本(国家統治者や主要メディアなど)と違って、世界の多くの国は、いかにして生き残り経済的発展を遂げるのかを必死に考えて外交活動を行っています。
勇ましい「対北朝鮮&中国敵視論調」を掲げたり、「対米追随外交」こそが日本の国益という売国的愛国主義を振りまいている連中こそが、戦後一貫して『平和ボケ』に陥っているのです。