米英、米ネバダ実験場で初の共同未臨界核実験実施
米国と英国は米太平洋時間14日午後1時30分(日本時間15日午前6時30
分)、初めての共同未臨界核実験を米ネバダ州の地下実験場で実施した。米国にとって
は97年7月以来16回目、英国にとっては初の未臨界実験で、英国は米ロに続き3カ
国目の未臨界実験のデータ取得国になった。
米エネルギー省によると、14日の実験は原爆開発で知られるロスアラモス米国立研
究所が計画、実施の主体で、英国からは核技術者7人が立ち会った。英国の参加は、5
8年に結ばれた相互防衛合意に基づくもので、「観測データの初期解析から、実験は成
功とみられる」としている。
未臨界実験は、長期保管中に核兵器が爆発したりしないか、いつまでも設計通りの破
壊力を維持できるかを検討するために、核分裂の連鎖反応に達しない(未臨界)量のプ
ルトニウムなどを使って核爆発を模擬する。核爆発を伴う核実験を禁じた包括的核実験
禁止条約(CTBT)の「抜け穴」と批判されている。
共同実験実施の背景には、CTBTの死文化方針を表明している米ブッシュ政権が、
英国を巻き込む狙いがあるものとみられる。英国にとってはデータ取得で核兵器維持が
容易になる。核廃絶を求める非核保有国などの声に逆行するものとして、強い反発を呼
んでいる。
ブッシュ訪日直前の共同未臨界実験実施は、核廃絶を掲げる日本政府の対応も問うこ
とになる。(07:27)
http://www.asahi.com/international/update/0215/002.html