【エルサレム14日=当間敏雄】
パレスチナ自治政府のアラファト議長が腹心の治安警察長官を平手打ち――。13日付イスラエル紙ハアレツによると、アラファト議長は11日夜、西岸ヘブロンで同夜起きた群衆による過激派解放事件を受け、パレスチナ治安警察(西岸地区)のラジューブ長官を平手打ちにし、銃を突きつけて罵倒(ばとう)したという。
情報筋の話として伝えたもので、“平手打ち事件”はアラファト議長がイスラエル軍の軍事封鎖で事実上の軟禁生活を余儀なくされている西岸自治区ラマッラの議長府内で発生。議長は「やつ(ラジューブ長官)は、おれにとって代わることを望んでいる」と何度も叫んだという。昨年12月はじめ以来の軟禁長期化に加え、後継問題が公然と語られ始めたことへのいら立ちが背景にあると見られる。
(2月14日12:24)