02/12 16:24 中央アジアに長期関与へ 米、ロシアには配慮 外信57
【ワシントン12日共同】対テロ戦争を契機に中央アジア諸国に
急接近するブッシュ米政権は、米軍基地を同諸国に常駐化させない
ことをロシア政府に確約する一方、中央アジア諸国に一層の民主化
や経済改革を求め、軍事・政治両面で長期的に関与する方針を鮮明
にしている。
一月下旬から二月上旬にかけて中央アジア五カ国を訪問したジョ
ーンズ米国務次官補は十一日、記者会見し「中央アジアに米軍基地
はつくらないが、必要である限り各国の基地を使用していく」と述
べ、対テロ戦争が続く間は米軍のプレゼンスを維持する方針を明確
にした。
米軍は今回のアフガニスタン攻撃で、旧ソ連の中央アジア各国と
個々に基地使用や領空通過を可能にする協定を結んでいる。ウズベ
キスタンやキルギスなどでは、地元の基地を対テロ戦争の「補給中
継基地」として米軍が使用。歴史的に同地域に強い影響力を持つロ
シア側から「米軍の恒久的な駐留につながるのでは」との警戒を招
いている。
ジョーンズ次官補は「ロシアへの透明性確保が目標」と述べ、米
政府の中央アジア政策や米軍の動きを随時ロシアに説明し、懸念を
払しょくする考えだ。二月八日にワシントンで開かれた米ロ次官級
協議でも、中央アジアに米軍を恒久的に常駐はしない方針を確約し
た。
米政府はウズベキスタンへの支援を大幅に増やすことを表明して
いるが、中央アジア各国への本格支援を進める上で人権問題の改善
や経済改革、民主化を一段と強く迫る考えだ。ロシアに代わって中
央アジア地域での影響力拡大を目指す外交戦略が明確になっている
。
(了) 020212 1624
[2002-02-12-16:24]