9.11アタックとアフガン戦争に関連した、わが国ではまだあまり知られていない情報をいくつか、披露します。
@チェチェンと中東のつながりの歴史は古い。19世紀にロシア(旧ロシア?)に住んでいたチェチェン人とチュルケス人計50万人がオスマントルコ帝国へ”脱出”、現在もトルコとヨルダンに30万人のチェチェン人が住んでおり、ロシアのチェチェン人の独立闘争・反ロシア中央政府闘争を支援している。アルカイダだけがチェチェンを支援しているわけではなさそうです。
Aアフガニスタンジハードニュース等でも報じられていましたが、カルザイを首班とするアフガンの暫定行政機構の発足式典前日に米軍が、アルカイダと間違えてパシュトゥン人長老の乗った車列を攻撃した事件の真相は以下の通り。
イランに亡命中のヘクマチアル元アフガン首相(パシュトゥーン人)が、やはりイランに逃げたタリバンの元ナンバー2のハッカニとイラン国内で密かに会談した。これを知ったカルザイ(バシュトゥーン人、元ザヒル・シャー元国王派)は、パシュトゥーン人内に反カルザイ連合ができるのを恐れて、ハッカニの実弟を暫定行政機構発足式典に招待し、ハッカニを抱き込もうとした。しかし、この動きれを事前に知った米軍とCIAがカルザイ・ハッッカニ連合などまかりならん、とこの実弟の車列を爆撃し、実弟を殺害してしまった。
(ついでにアフガニスタンジハドニュースは大変、貴重な情報を伝えてくれていますが、アフガン国内のタリバン系が流しているのでしょうか。ドメル将軍に教えていただければ幸いです。)
B米大手シンクタンクAEIが最近、「サウジコネクション」というレポートを公表。サウジアラビアの実質上の最高権力者であるアブドゥラー皇太子がオサマビンラディンの最大の支援者で、イラクとリビアがアブドゥラーの権力闘争を支援している、という内容。小生は、一連のブッシュの「反テロを偽装した反イスラム戦争の核心中の核心」はイラクでもイランでも北朝鮮でもなく、サウジだとずっと考えています。(イスラエルにとってはイランが主敵でしょうが)。昨日発表されたブッシュとチェイニーの外交日程を見ると、米国は当面は、イラクと北朝鮮に対する戦争を準備しているようですが。しかし、米国のこれまでの中東政策の「要」は、イスラエル支援とサウジの親米政権の維持だったのは明白です。もし、サウジノアブゥラ政権転覆に踏み切る、とすれば、その影響は図り知れず、石油輸出の途絶・世界恐慌や世界大戦も起こり得る、と思います。ブッシュやラムズフェルドはそこまで気が狂っているのでしょうか。まあ、年頭教書を読むと、ほとんど気違いであることは分かりますが。
Cイランのホメイニ革命の影響を受けたサウジでの最初のイスラム原理主義勢力による反政府暴動は79年に起きたメッカのアル・ハラム・モスクの占拠事件でした。ジェハイマン・アル・オタイビというメディナ大学神学部出身の27歳の若者をリーダーとするこの占拠事件は、サウジ政府の厳重な報道管制もあって未だに、真相は判明していません。ただ、当初、2週間で鎮圧された、と報じられましたが、実は抵抗は3週間続き、サウジの首都警護隊では完全鎮圧できずに、シリアのアサド大統領(父)に泣きついて、シリア軍の特殊部隊の手でやっと鎮圧したようです。「中東のライオン」と言われた故アサド大統領は、当時、ゴラン高原でイスラエルと対峙しており、サウジの資金援助と見返りにこの特殊部隊派遣に応じたようです。また、レバノンのアマル、ハマス、ヒズポラは通常、イランのテコ入れで誕生した、と言われていますが、シリアもからんでいたようです。まあ、ヒズポラについては、イスラエルの別働謀略テロ組織で、中東和平が進展しそうになると、ぶち壊すためのテロをさせていた、という見方も当初から根強くささやかれており、ヒズポラの活動をみると、そう言われても仕方がないようなフシもあります。ウサン臭さがつきまとっていますが。ビンラディンは、この79年のメッカ・モスク占拠事件と、これに対するサウジ政府の対応についても、強い不満を抱き、サウジ政権批判を強める最初のきっかけのひとつにはなったようですが。