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【ワシントン4日=林路郎】
ブッシュ米大統領は4日に連邦議会に送付した2003会計年度の予算教書で、過去20年間で最大の伸び(対前年度比約13・5%)となる総額3790億ドルの国防予算案を計上、対テロ戦争遂行のための軍の近代化に乗り出した。航空戦力や偵察衛星などに重点を置き、「破壊力を高めた、軽量かつ機動的な軍」(ラムズフェルド国防長官)を目指す方向性を鮮明に打ち出している。
来年度予算案の特徴は、同長官が「脅威に即した戦略に適していない」と判断した大型兵器開発プロジェクトなどを思い切って切り捨てたことだ。例えば、海軍が「21世紀型の艦船」として開発を目指した多目的ステルス駆逐艦「DD―21」は計画の完全中止をうたっている。
一方、アフガニスタンでの対テロ戦でも重要性が確認された航空戦力は近代化を加速させ、戦争を有利に進めるうえで不可欠な偵察兵器や精密誘導兵器なども大幅にテコ入れされる。
空軍の最優先プロジェクトであるF―22ステルス戦闘機「ラプター」の開発には、今年度比33%増の52億ドルを計上。アフガニスタンで本格的に実戦投入された攻撃機能付きの無人偵察機「プレデター」、高高度無人偵察機「グローバルホーク」には10億ドルを計上し、増産・配備を進める。
一方、アフガンでの軍事行動で偵察目的にも使われたF―14戦闘機「トムキャット」など旧世代機は退役を加速させる。
偵察衛星で、ミサイル防衛網の一部としても機能する見込みの「宇宙配備赤外線システム」開発には、ほぼ倍増の8億1500万ドルを投入。航空機から投下され、レーザー光線や全地球測位システムにより正確に標的を狙う精密誘導兵器の研究・開発、増産にも11億ドルが盛り込まれた。また、本土防衛の一環として、生物兵器テロに対処するための関連予算も59億ドルを計上し、国防最優先のブッシュ政権の方針を強く印象づける予算案となっている。
(2月5日00:46)