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【カイロ23日=村上大介】
イスラエル軍によるパレスチナ自治区侵攻とパレスチナ過激派によるテロの再開という事態を受け、イスラエルは「さらなるテロが予想される」(軍情報部長)と警戒を強めている。しかし二十三日付イスラエル各紙は「パレスチナ自治政府の破壊とアラファト議長の排除を狙うシャロン首相は、この黄金のチャンスを逃さないだろう」(マーリブ紙)などと指摘、シャロン首相がいよいよ“最後の一線”を越える時期が近づいているとの見方が強まっている。
同日付イスラエル有力紙イディオト・アハロノトは、「ブッシュ米政権は、武器を密輸しようとしたパレスチナ船が紅海の公海上で拿捕(だほ)された事件で、数日中にも米政権が自治政府との関係見直しを発表するだろう」と伝えており、シャロン首相にとっては、もはや「自制」を求める国際社会の声がないことが格好の条件を構成していると指摘した。
これに対し、パレスチナ自治政府は国連安保理の招集や国際社会の介入を求めアピールを繰り返しているが、国際社会の反応は極めて鈍い。イスラエルの軍事行動に反発したパレスチナ過激派のテロが再発した状況下で「過激派を取り締まらないアラファト議長に責任がある」とするシャロン首相の言い分は極めてわかりやすく響くからだ。
二十三日付マーリブ紙は「シャロン首相とモファズ軍参謀総長は、ヨルダン川西岸とガザ地区の再占領を行い、状況をゼロから再出発させることを決めた」と指摘。「イスラエル世論も、自治政府への大攻撃という首相の方針を受け入れるだろうが、再占領が生み出す結果まで受け入れる準備はできていない」と論評した。