★阿修羅♪ 戦争8 ★阿修羅♪ |
【モスクワ23日=瀬口利一】
ロシアが国連経済制裁を受けているイラクの最大の貿易相手国になったことが、このほど明らかになった。タス通信が国連当局者の話として伝えたところによると、昨年下半期の対イラク貿易額は14億ドルで、エジプト、フランスを抜き、トップに立った。イラクとの結びつきを強めるロシアの戦略が経済実績として表れた形だ。
イラクのアジズ副首相は24日、モスクワを訪れてイワノフ外相、グレフ経済通商相らと経済制裁の早期解除や通商拡大問題を協議する予定。ロシアとしては、イラクとの緊密な関係をアピールし、対テロ軍事作戦でイラク攻撃も選択肢に含めるブッシュ米政権へのけん制を強める構えだ。
制裁下でのイラクの石油輸出は1996年12月に始まった国連の「石油・食糧交換プログラム」に基づくもので、輸出収入の使途は食糧や医薬品など人道物資購入に限定される。ロシアは世界有数の産油国だが、プーチン政権はイラクの油田開発に絡む利権や対米戦略上の思惑から近年、イラク産原油を積極的に輸入してきた。ロシアは経済制裁の解除を働きかける一方、イラクに認められた石油輸出量の約3分の1を買い取り、その契約額は同プログラム開始以降、約40億ドルに上っている。イラク側の物資購入もロシア企業が大半を請け負っている。
(1月23日23:09)