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【テヘラン小倉孝保】
米国が「テロとの戦争」を進める中、イランとイラクが急接近している。最近、閣僚級などの会談が相次ぎ、26日にはサブリ・イラク外相が外相としては79年のイラン革命後初めてテヘランを訪問する予定だ。米国による攻撃に備え隣国との関係を改善したいイラクと、アフガニスタンに親米政権ができたことでイラクとの関係悪化は得策でないと見るイランの思惑が一致した形だ。
テヘランのイラク大使館は毎日新聞の取材に、「サブリ外相は26日にテヘランを訪問する」と語った。滞在中、ハタミ大統領やハラジ外相らイラン政府指導層と会談し、米国への対応や湾岸戦争(91年)の際にイランに避難したイラク機の返還問題などについて意見交換するという。
今月12日からイラクのハリル運輸・通信相がテヘランを訪れ、ホラン道路交通相と会談。同じ時期にイラン外相顧問がバグダッドを訪問しサブリ外相と会談するなど、両国政府の公式対話が急に目立ち始めている。
また、バグダッドに本部を置くイランの反体制組織ムジャヒディン・ハルク(MKO)もイランへの攻撃を控えている。イラク政府が同国内にあるMKOの軍事拠点5カ所を閉鎖するよう圧力をかけたとの情報もあり、「イラク政府がイランとの関係改善を急いでいるのは確実」(在テヘラン外交筋)との見方が広がっている。
イランとイラクは80年から88年まで戦争を続けた。だが、米政府内でイラク攻撃論が根強い中、イラクは自国防衛のために周辺諸国との関係改善が急務だ。また、アフガンを含めた周辺地域の安定を望むイランは、イラクへの攻撃に反対の立場で、この問題では両国の利害は一致している。