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【ワシントン布施広】
18日付のワシントン・ポスト紙が、複数の関係筋の話を基に、サウジアラビアが近く駐留米軍の撤退を求める可能性が強いと報じたのに対し、フライシャー米大統領報道官は同日、サウジ側に撤退を求める動きはないと語った。しかし米・サウジ関係は悪化の一途をたどっており、米軍撤退問題が今後、表面化する可能性は捨て切れない。
同紙によると、サウジではファハド国王の後継者となるアブドラ皇太子を中心に米軍撤退要求が強まっている。その背景には、米国によるイラク封じ込めへの反発や、パレスチナ問題への米国の対応の不満があるようだ。サウジのサウド外相は昨年11月、米紙を通して、アラファト・パレスチナ自治政府議長に会おうとしないブッシュ大統領を批判した。
一方、米議会にはアフガニスタン攻撃への基地提供を渋ったサウジへの反発が強く、レビン上院軍事委員長は最近、サウジ駐留米軍を撤収させるべきだと主張した。アフガンのタリバン政権下での「女性抑圧」を非難してきた米国は、サウジが極めて保守的なイスラム的規制を敷いていることにも反発している。
だが、サウジのプリンス・スルタン空軍基地は、中東での米軍の拠点であり、米軍のサウジ撤退は、今後のイラク攻撃のシナリオにも影響する。サウジが米軍撤退を求める動きを見せたとすれば、アフガン後のイラク攻撃をちらつかせる米国へのけん制という意味合いが濃厚だ。
91年の湾岸戦争中、イラクは「イスラムの聖地を米軍が占領している」として、米軍駐留を許すサウジを批判。聖地のメッカとメジナを擁するサウジは、対応に窮した経緯がある。親米のファハド国王に対し、国政の実権を握るアブドラ皇太子は「民族派」とされるだけに、皇太子の力が強まるにつれて、米軍撤退を求める動きがサウジ国内で強まる可能性もある。