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18日午後5時44分ごろ、京都市上京区智恵光院通丸太町下ル主税町、NHK京都放送局(山本壮太局長)から「刃物を持った男が女性職員を人質にとって1階に立てこもった」と110番通報があった。京都府警捜査1課や西陣署員らが急行、人質を解放するよう説得を続けていたが、同10時1分、警察官が男を取り押さえ、銃刀法違反と人質による強要行為の処罰に関する法律違反容疑で現行犯逮捕した。女性職員は無事だった。
調べでは、男は名古屋市名東区、出版社代表、山本功容疑者(44)。人質にされていたのは黒川隆恵さん(26)。
山本容疑者は黒っぽいスーツにネクタイ姿で、刃渡り5〜6センチの工作用ナイフと灯油とみられる液体が入ったペットボトル(500ミリリットル)、ライターを手にし、液体の半分ほどを床にまいていた。黒川さんは正面玄関右側の受付ロビー奥にある部屋に押し込められていた。
NHK大阪放送局によると、山本容疑者は「日本民族義勇軍」を名乗り、NHK職員に「決意の言葉」と題したワープロ打ちの声明文を手渡して、「声明文をニュースで放送しろ」「電話で小泉首相と話をさせろ」などと要求していた。この声明文には米国によるアフガニスタンでの軍事行動に対する意見が記されているという。
山本容疑者は約14年前、名古屋市中区丸の内の久屋大通公園内にある「名古屋南京友好記念石碑」の銘板に赤ペンキを吹き付けたとして、器物損壊容疑で逮捕されている。
ロビーにはテレビがあるため、NHKは女性の安全を考えて、大阪放送局管内は事件の報道を控えていた。
現場は二条城北西側の事業所や住宅が建ち並んだ一角。同放送局の周辺には警察官や報道関係者が詰め掛け、近所の住民らが不安そうに見守っていた。(毎日新聞)
[1月19日0時10分更新]