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【ワシントン16日=西田令一】
米政府は十五日、インドに空中警戒管制システム用のレーダー、「ファルコン」を売却しようとしているイスラエルに対して、印パ危機の現時点での売却に待ったをかけたことを明らかにした。しかし、売却自体は基本的に了承しており、イスラエルが同じレーダーを中国に売り渡そうとしたのを阻止した時とは対照的。中国をにらんでインドへの接近を進める最近の米外交を反映している。
ファルコンは、イスラエルが事実上米国と共同開発し、一部の能力は米国製の空中警戒管制機(AWACS)をも上回るとされるシステムだ。その導入がインドの早期警戒能力の飛躍的な向上につながるのは確実で、米国務省のリーカー副報道官は十五日の記者会見で「(ファルコン)システムの能力とタイミングの問題を含めて売り渡しの件をイスラエル政府と協議中」とし、イスラエル側に「売却の影響の考慮」を要請していることを明らかにした。
副報道官は、ボルトン国務次官(軍備管理・国際安全保障問題担当)が十六日から十八日にかけてイスラエルを訪問すると発表、その際にファルコン問題も話し合われるとの見通しを示した。
国務省当局者は十五日、「(ファルコン売却は印パ)両国間の緊張時における新たな能力の獲得を意味する。もう一方が何らかの対応が必要と思うようなものを持ち込ませたくはない」と述べ、「彼らも南アジア情勢に関し懸念を共有している」とイスラエル側も米側の考えを理解していることを明らかにした。
ただし、リーカー副報道官は会見で、「われわれはインドに対するファルコンの売り渡しは本当に支持している」と繰り返し明確にしている。
イスラエルが昨年、中国との間でファルコンの売り渡し契約を結んだときには、米政府は中台間の軍事バランスを崩すとして強力な圧力をかけ、米議会も対イスラエル援助の一部を凍結すると脅してイスラエル側を契約撤回に追い込んでおり、今回の対応はそれとは際立った違いといえる。