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01/16 16:19 あふれるうわさ、募る不安 米攻撃情報でソマリア 外信80
共同
「これ以上、貧しいわれわれを苦しめて何になるのか」―。米政
府がアフガニスタンに続く対テロ攻撃の対象にしているとされるソ
マリア。十年前に無政府状態に陥り国際社会に見放されたこの国で
は、米国による攻撃のうわさがちまたにあふれ、市民のいら立ちと
不安が高まっていた。
空港から約五十キロの首都モガディシオ。道路はほとんど舗装さ
れておらず、銃弾で穴が開いた家や店ばかりだ。廃虚となった米大
使館も無残な姿を見せる。
記者の車にはボディーガードのためと称して銃を抱えた男が同乗
した。「ここではだれでも銃を持つことができる。自分の身は自分
で守れということだ」と運転手の男性は平然と話す。
ソマリアは一九九一年、当時のバーレ政権が崩壊し有力氏族が国
土を割拠。二○○○年に暫定政府が発足したが、治安を維持する力
はないも同然だ。市内のあちこちに銃を持つ男がうろつき、一般の
市民に声を掛けるのも容易ではない。
最近、飛行機がソマリアとケニアの国境上空を頻繁にパトロール
するようになったという。米国にアルカイダ関連のテロ組織と名指
しされ資産を凍結された「アルイティハード・アルイスラミヤ」メ
ンバーの国外逃亡を米国が警戒している、と市民らはまことしやか
に解説した。
米国の「テロとの戦い」の対象として有力候補に挙げられるのに
は理由がある。首都の掌握すらおぼつかない暫定政府は、空港や港
での入国審査すらできないままだ。テロリストが潜伏しても把握は
困難。ウサマ・ビンラディン氏側近が頻繁にソマリアに出入りして
いたとの情報もある。
ある地元ジャーナリストは、繰り返される戦闘と現体制へのあき
らめから「この国がましになるなら、米国が攻撃してくれてもいい
。とにかく安心して暮らせる国が欲しいんだ」と吐き捨てるように
言った。
無職のアブドゥルカデル・アリさん(48)は「タリバンのよう
な組織もない国が攻撃されるわけはない」と話し、「米国がソマリ
アに平和をもたらすためにやって来るなら大歓迎だが、攻撃してく
るなら追い返してやる」と語気を強めた。(モガディシオ共同=橋
本一彦)
(了) 020116 1618
[2002-01-16-16:19]