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変わるパイプライン戦略−−テロ後の中央ユーラシア(朝日新聞1月9日)

投稿者 MIROKU 日時 2002 年 1 月 13 日 09:58:14:

変わるパイプライン戦略−−テロ後の中央ユーラシア(朝日新聞1月9日)

昨年9月の同時多発テロ後、中央アジアからカスピ海に至る中央ユーラシア地域をとりまく国際環境は一変した。アフガニスタンヘの出撃拠点として、米国にとっての戦略的な重要性は格段に増した。米ロの協調は石油と天然ガスを運ぶパイプラインをめぐる構図を塗り替えつつある。日本外交も対応を迫られているのは間違いない。(政治部兼外報部・西村陽一、外報部・武石英史郎)

ルートへ米口協調

タジキスタンとウズベキスタンは、ブッシュ米政権の世界地図では辺境に押しやられていた。だが、アフガン攻撃とともに、米国の軍事外交政策の中心的な位置に躍り出た。タリバーン崩壊後も、中央アジアをめぐる動きはめまぐるしい。
米国との首脳会談で長期的な戦略パートナーシップを表明(カザフスタン)▽米空軍基地の新設計画が浮上(キルギス)▽米国務長官の訪問を受け、アフガン国境の橋を5年ぶりに開放(ウズベキスタン)▽米に続き仏の軍代表団が訪問(タジキスタン)。先月だけでもこんな具合だ。
米国が、中央アジアにも根を張るアルカイダの掃討を続ける限り、中央アジアでの駐留は避けられない。駐留がどのくらいの期間に及ぶか。これがユーラシア心臓部の新秩序を左右する要素となる。ロシアは、米軍が長々と居座れば懸念を強める。逆に、米国が早々と撤退すれば、ロシアに加え、中国やイランなども力の真空を埋めようと動き出す。中央アジアは当面、米ロのバランスに腐心せざるを得ない。
テロ前の米ロは、カスピ海周辺の石油や天然ガスを運ぶパイプラインのルートで激しいつばぜり合いを演じていた。米国が押したのは、バクー(アゼルバイジャン)→トビリシ(グルジア)→ジェイハン(トルコ)のルートだ。ロシアをう回するこのルートは、3カ所の頭文字からBTCと呼ばれ、米ロの「資源戦争」の象徴だった。
しかし、テロ後に生まれた米ロの協調ムードが変化をもたらした。注目されたのが、ロシアの石油大手ルクオイルの会長が12月24日にバクーを訪れ、BTCへの出資を検討している、と語ったことだ。ロシア外しの政治的な思惑が先行したパイプライン構想に、ロシア企業が参加する−−。このねじれ現象が現実のものとなれば、BTCの実現可能性は高まる。
米打開係の変化は、11月27日のカスピ・パイプライン・コンソーシアム(CPC)のパイプライン開通式でも浮き彫りになった。米シェブロンが開発したカザフ・テンギス油田の原油を黒海沿岸に運ぶためのプロジェクトで、米口対立が先鋭化する以前の90年代半ばに計画された。ロシア保守派の抵抗で延び延びになっていた開通式にようやくこぎつけたブッシュ大統領は、「中央アジアでの米・ロ・カザフの協力を世界に示すものだ」との声明を発表した。
「テロ後、米国は石油を中東に依存する危うさを再認識した。エネルギー源を多角化する戦略地域の筆頭がカスピ海とロシアだ」。石油公団幹部はこう指摘する。

アフガン縦貫構想注目

タリバーン崩壊で注目を集めているのが、アフガンを貫くパイプライン構想だ。タリバーン時代の97年、トルクメニスタンの天然ガスを、アフガンのへラ−トやカンダハルを経て、パキスタンやインドヘと運ぶ計画があった。日本の伊藤忠石油開発なども出資した。しかし、米国が98年、米大使館連続爆破事件の報復としてアフガンを爆撃したため、とん挫する。
この計画を担うコンソーシアムを率いていたのが米ユノカル社。そして当時、同社のコンサルタントだったのが、アフガン系米国人のカリルザード氏だ。氏は現在、国家安全保障会議上級部長兼アフガン担当大統領特使として、米国のアフガン政策をつくる立場にある。トルクメンのニヤゾフ大統領が10月、アフガンのパイプラインは「アフガン再建にも役立つ」として、計画に理解を求める書簡を国連に送ったこととも併せ、関係国などで計画の復活がささやかれる根拠となった。
ただ、運び先のインドとパキスタンの緊張、トルクメンの独裁体制への不安などもあり、今のところ、国際石油資本に目立った動きはない。

「資源外交」日本出遅れ

石油公団などの日本勢には、テロ前、カザフからイランに抜けるパイプラインの可能性を探る動きもあった。カスピ海原油のアジア供給を視野に入れてのことだ。だが、米・イランの関係改善が進まないところに、BTC計画が転がり始めたことで、当面、イランルートの可能性は遠のいたとの見方が強い。
資源外交では出遅れ気味の日本だが、ロシア外務省とは近く、中央アジアについての初協議を東京で開く。森喜朗前首相と鈴木宗男元北海道・沖縄開発庁長官は来週、タジクとウズベクを訪問。タジクの水力発電所を復旧しアフガンに送電する事業を日ロとタジクが共同で取り組む構想もロシアに浮かび、日本政府関係者は関心を寄せる。
対口外交やアフガン復興支援を組み合わせた新たな中央ユーラシア外交を展開できるかどうか。日本の模索も始まった。





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