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【クアラルンプール古賀攻】10日の日マレーシア首脳会談の注目点は、小泉純一郎首相が打ち出した新東アジア外交構想に対し、東南アジア諸国連合(ASEAN)のご意見番的存在であるマハティール首相がどんな反応を見せるかだった。小泉構想が豪州やニュージーランドとの連携を見すえているのに対し、マハティール氏は繰り返し「ASEANプラス3(日中韓)の強化」を主張。そのすれ違いは、両氏の「アジア観」の差に由来するようだ。
会談で小泉首相は77年の福田ドクトリンが日本の対ASEAN政策の基礎である考えを重ねて表明したうえで、この25年間の変化を受けて「開放的でダイナミックな地域を形成するためのビジョンが求められている」と主張。ASEANプラス3での協力を積み重ねるうちにオセアニア2カ国と連携するのが「自然」だと説いた。
マハティール首相は、福田スピーチの評価では同調したものの、小泉構想に言及しないまま。逆に「中国は魅力的なマーケットだが、同時にASEANと厳しい競争をする可能性がある。だからASEANプラス3で協力することが必要だ」と徹底して東アジアへのこだわりを見せた。かつて東アジア経済協議体(EAEC)を提唱して米国の影響力に対抗する姿勢を見せた同首相には、豪州などに対しては「アジア的価値観を共有していない」との思いがあると見られる。「根っからの親米派」を自任する小泉首相にとって、豪州は「西側の一員」として親近感がある。両者の感覚の違いは、今後もたびたび顔をのぞかせそうだ。
[毎日新聞1月10日] ( 2002-01-10-23:50 )