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01/11 09:52 ウイルス廃棄を無期限延期 天然痘、WHOが勧告案 外信38
【ジュネーブ11日共同=藤井靖】一九七○年代に天然痘の発生
が根絶された後、米国とロシアだけが保有している天然痘ウイルス
について、今年末に予定されていた廃棄を事実上、無期限延期する
勧告案をブルントラント世界保健機関(WHO)事務局長が十一日
までにまとめた。
十四日からのWHO執行理事会に提出、正式決定の見通し。一時
は世界で毎年約四百万人もの死者を出してきた同ウイルスの、地球
上からの廃絶が遠のくのは確実となった。
炭疽(たんそ)菌事件を受け、米国が生物テロ対策の研究用とし
てウイルスを保有し続ける必要性を主張、今回の勧告案となった。
だが、天然痘根絶に尽くした日本の専門家からは「日本から米国に
送ったウイルスだけでも廃棄を求めるべきだ」と反発が出ている。
執行理事会を構成する日本など三十二カ国のうちキューバなども
「米国の横暴」に強く反発しており、理事会が紛糾する可能性もあ
る。
勧告案は、米国などが行っている天然痘の予防薬の開発は「(当
初予定の)二○○二年末には終わらない」とした上で、WHOが今
後も各国の「研究を監督する」との表現で、ウイルス廃棄の延期を
求めた。
廃棄時期については「研究成果に基づきコンセンサスが得られた
時点」とし、期限の設定を回避。勧告案がそのまま承認されれば、
無期限の延期となる。
昨年十二月に開かれたWHOの専門家会合でも、ウイルスの廃棄
は延期せざるを得ないとの意見が大勢を占めた。
天然痘ウイルスは、WHOが七九年に病気の根絶を宣言した後、
流出防止のため日本など各国の研究機関から米国とソ連(当時)に
集められた。当初は二○○○年末までの廃棄を目標としていたが、
当時のクリントン米政権の反対で○二年に延期されていた。
(了) 020111 0952
[2002-01-11-09:52]