★阿修羅♪ 戦争8 ★阿修羅♪ |
同時テロ事件で崩落した米・ニューヨークの世界貿易センタービルの跡地利用をめぐり、建築家で東京大学教授の安藤忠雄さん(60)が、地球の一部をイメージした“円墳”を作るというユニークな独自案をまとめた。「米国型経済社会の発想を離れて、様々な民族が共存していることを思い出す場にすべきだ」とのメッセージを込めたモニュメント。今月末にニューヨークで発表する。近く米国建築家協会のゴールドメダルも受賞する安藤さんの案だけに、論議に一石を投じることになりそうだ。
モニュメント案は直径200メートル、高さ15メートルほど。円墳のように土を盛り、芝生で緑化する。地球をイメージさせる球体の一部が地上に現れた形でもある。
跡地利用について、米誌から「どう考えるか」と尋ねられたことから、プランを練り始めた。「テロはとんでもない話だが、アメリカが経済的に1人勝ちし、同時に環境問題などで孤立しはじめた時期に起こった事件。経済社会の発想とは違ったものを提案したい」との思いから、犠牲者を追悼するとともに、人類共存を訴える案に行き着いた。
現実には、家主にあたる企業が60階程度のビル4棟による再建案を明らかにしたほか、米国の建築界でも議論百出の状態。安藤さんは「自分の案は、いわば何も建てないという案。多分こうはならないでしょうが、高層ビル街にこれだけの“無”の空間があれば、もう1度、人々に何かを考えさせる場になるのでは」と意図を話している。(読売新聞)
[1月10日16時24分更新]