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01/03 15:00 民族の団結優先の回族 改革・開放で宗教も自由化 外信439
共同
「漢族は回族から離れられない、回族も漢族から離れられない」
―。中国のほぼ中央部、寧夏回族自治区の銀川市内にあるイスラム
教施設、寧夏経学院。二○○一年十二月半ばのラマダン(断食月)
明けを祝う「開斎節」の式典で、漢民族の自治区幹部が演説し両民
族の団結を強調すると、礼拝に集まっていた約百人の回民族から拍
手がわいた。
銀川市から南に約二十キロ、農村地帯の永寧県で最も歴史の古い
モスク(イスラム寺院)納家戸清真大寺から礼拝を済ませ自宅に戻
った長老の納棟臣さん(80)は「宗教に対する政府の制限はない
。法輪功(非合法の気功集団)のような邪教を除けば、民族の宗教
は自由だ」と話を切り出した。
納さんは六歳で学校に通い始めて以来、休みの時にはこのモスク
でアラビア語の経典を習った。十六世紀に建てられた同寺の補修事
業では責任者を務めた。
一九四九年の中華人民共和国成立以来、信仰の自由がずっと守ら
れてきたわけではないことは、自治区政府も認める。「文化大革命
の十年間、寺の門は閉じられた。人民公社のドラム缶作りの工場に
なっていた」と納さん。その間、礼拝は自宅で大きな声を出さずに
ひっそりと続けていた。
文革が終わり、共産党が七八年末に改革・開放路線へ転換を決め
たことが、政府の宗教政策でも転機になったという。「最初から全
面的というわけではなかったが、社会の安定を考えながら開放され
てきた」。
冬の短い日が暮れると、納さんはこの日五回目の礼拝にモスクへ
向かった。
同自治区は人口五百六十二万人。回民族が百八十六万人で、他は
ほとんどが漢民族。アフガニスタンと国境を接し、少数民族の分離
独立運動を抱える新疆ウイグル自治区からは緊張した社会情勢が報
じられているが、銀川市内は平穏なラマダン明けを迎えていた。
市内で最大規模を誇るモスクの南関清真大寺。建物の壁には(1
)いかなる時も党、政府との一致を保たなければならない(2)党
と政府の政策の範囲内で正常な宗教活動を行わなくてはならない―
という信者向けの規則が掲げてある。
同寺管理委員会の保進貴主任(75)に意味を尋ねると「中国の
五十六の民族はみな、共産党の指導下にある。党は宗教活動に干渉
しないが、イスラム教徒はまず国を愛し、法律を守らなければなら
ない。われわれは中国人だから」。力のこもった答えが返ってきた
。(銀川、共同=加藤靖志)
(了) 020103 1500
[2002-01-03-15:00]