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国際面では米国に対する同時多発テロとその後のアフガン戦争の影響が、より泥沼化した形で噴出してくる。
「パレスチナ攻撃を再開したイスラエルのシャロン首相はアラファト議長を『相手にせず』と公言したが、あれは単なる感情的な反発。現在のパレスチナは対イスラエル戦のための“勝手連”的な寄り合い所帯です。アラファトが首長となり、パレスチナを一本化できなければ、(41)パレスチナとイスラエルは戦争状態に突入し、戦火は世界中に飛び火します」(中東調査会・中島勇研究員)
ブッシュ・アメリカも「テロ追放」の大義名分のもと、戦争拡大を虎視眈々と狙っている。ターゲットの筆頭はフセイン大統領率いるイラクだ。元米国際戦略問題研究所主任研究員の浜田和幸氏は、こう予測する。
「アメリカは国益を優先して世界レベルの兵器や環境の問題を勝手に反故ほごにしてきました。そのツケが同時多発テロです。(42)パレスチナ紛争はアメリカ対イラクの“代理戦争”から第三次世界大戦に発展する可能性があります。軍需産業と縁の深いブッシュ政権内の強硬派は、核をはじめ電磁波爆弾など近未来兵器の使用に踏み切るでしょう」
想定されるアメリカの攻撃対象はイラクのほか、ソマリア、イエメン、スーダンなど。最新兵器を駆使するアメリカの圧倒的な勝利が予想されるが、ただでは終わらない。
「同時多発テロは、テロリストに新しい実力行使の可能性を教えました。ビンラディン同様、宗教観に裏打ちされた彼らの復讐心は激しく、(43)イスラム世界に干渉するアメリカの象徴であるブッシュ大統領の暗殺が実行に移されます。当然、アメリカ側に立つイギリス、日本など各国も標的にされる」(日本大学国際関係学部・大泉光一教授)
ブッシュ大統領が「イランと並ぶテロ支援国家」としている北朝鮮(朝鮮民主主義人民共和国)の動向も不気味だ。北朝鮮との友好政策を打ち出してきた韓国・金大中大統領の失脚が、朝鮮半島の緊迫度を一気に高めるだろう。
「'02年12月の韓国大統領選で、野党の李会昌氏が当選しそうです。そうなれば、金正日に現金を渡した疑惑が囁かれる金大中の逮捕もありうる。(44)南北関係は完全に冷え込み、北朝鮮の暴発の危険性が一気に高まる。'02年3月にはKEDO(朝鮮半島エネルギー開発機構)の予算がパンクするが、ブッシュは追加予算を出す気はない。北朝鮮は自前の核開発も再開するだろう」(拓殖大学・重村智計としみつ教授)
日本にとってもう一つの脅威は、すさまじい勢いで経済成長を遂げつつある中国だ。
「'02年9月に江沢民の後継者として胡錦濤が指名され、人事の若返りとともに、経済改革も一段と進むでしょう。中国はあと10年で日本に追いつき追い越すと言われているが、それほど時間はかからない。技術力の高い日本の企業はすでに中国への移転を始めている。(45)中国は労働力と技術力を持った大国へと変身を遂げ、日本の産業は空洞化し、モノをつくれない国に成り下がる。逆転現象が始まります」(愛知大学・加々美光行教授)
'02年、日本は武力、経済力の両面で、諸外国から包囲されることになる。