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12/28 15:45 カスピ海で米ロが提携模索 アフガン、中東情勢急変 外信55
共同
石油・天然ガス資源が豊富なカスピ海の覇権をめぐりしのぎを削
ってきた米国とロシアが、米中枢同時テロ後のアフガニスタン、中
東情勢の急変を機に、連携を模索する動きを見せ始めている。世界
のエネルギー安全保障地図も大きな転機を迎えつつあるようだ。
十一月二十七日、黒海沿岸のロシア・ノボロシースクで催された
カザフスタン・テンギス油田とノボロシースク港を結ぶ延長千五百
八十キロの石油パイプライン開通式。「国際エネルギー安保がこれ
で強化される」。出席したエーブラハム米エネルギー長官はかつて
ない規模の輸送量を誇るパイプライン開通を称賛した。
米国はこれまで、ペルシャ湾に次ぐ膨大な埋蔵量ともてはやされ
たカスピ海で、バクーからグルジア経由でトルコのジェイハンを結
ぶルートのパイプライン建設を決めるなど、同地域でのロシアの影
響力排除に腐心。テンギス―ノボロシースクは、米国が阻止に躍起
となってきたルートだ。
米国の゛変心″について、カーネギー財団モスクワ支部のリャボ
フ研究員は、アフガニスタン、中東情勢急変を受け、カスピ海を中
東に代わる選択肢とするには、地域の安定確保が不可欠と指摘。そ
のため「ロシア排除よりロシアを絡めた安定を目指す方が有利と判
断したため」と分析する。
カスピ海周辺地域はチェチェン、ナゴルノカラバフ、アブハジア
など多くの紛争地域を抱えている。安定した石油供給の確保には、
紛争の収拾が不可欠だが、旧ソ連時代以来の影響力を持つロシアの
関与抜きでの和平達成は難しい。
ロシア側の歩み寄りも目立つ。かつて米国によるロシア排除のバ
クー―ジェイハン・ルートについて、ユスフォフ・エネルギー相は
「ロシアは建設を妨害しない」と言明。いまやロシア最大手ルコイ
ルが同ルート・プロジェクトへの参加も検討しているといわれる。
ロシアは産油量で世界の10%を占め、サウジアラビア、米国に
次ぎ三位、輸出量もサウジアラビアに次ぎ二位の石油大国。カスピ
海をめぐる米ロのライバル関係が連携へと変われば、世界のエネル
ギー情勢も大きく変わる。
ロシア・エネルギー業界アナリストのセルジャントフ氏は、米ロ
連携が今後も続くかどうかは流動的と慎重だが、「ロシア側には、
新たな埋蔵原油をカスピ海で発見するなど生産拡大の必要も生じて
おり、バクー―ジェイハン・ルート参加が不可欠」と述べ、協力拡
大は双方の利益にかなっているとの見方を示した。(モスクワ共同
=及川仁)
(了) 011228 1544
[2001-12-28-15:45]