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北朝鮮工作船とみられる不審船の任務は、米国の「反テロ軍事行動」の標的とされることに強い危機感を抱いた北朝鮮による偵察・警戒行動の一環だった可能性が強まった。米国から「テロ支援国家」に指定されている北朝鮮は、米中枢同時テロ後に「準戦時体制」を敷いたことも明らかとなり、不審船の出航はこれと関連した軍事行動だった疑いが濃厚だ。
北朝鮮の政策動向に詳しい関係者によると、同時テロを受けて米軍がアフガニスタンで軍事攻撃を開始した直後の十月初旬から約一カ月間にわたり、北朝鮮指導部内では米国の反テロ戦略を分析・評価し、その対策を検討する集中的な討議が行われた。
これは、米国のブッシュ政権が「テロリストをかくまったり、支援する国や組織も攻撃の対象となる」との方針を鮮明に打ち出したため、米軍の反テロ軍事行動の対象として北朝鮮も含まれる可能性があるとの認識からだった。
集中討議の結果、「ブッシュ政権では当面、パウエル国務長官など穏健派の意見が反映されている」との認識から、「米国は現在、われわれとの戦争は望んでいない」と判断するに至った。しかし、ブッシュ政権は一九九四年の米朝核合意に基づく核査察要求を繰り返すなど強硬姿勢が目立つほか、国際社会に対して「テロか反テロか」の二者択一でテロ包囲網の構築を進めており警戒が必要だとして、軍の指揮系統に対して準戦時体制を敷く措置がとられたという。
今回の不審船の主要な任務は、東シナ海のシーレーン(海上航路帯)の偵察だったとみられ、準戦時体制下の軍事行動だった可能性が強い。この不審船は北朝鮮の朝鮮労働党の周波数を使って朝鮮人民軍と直接交信していたことが防衛庁の通信傍受で明らかになっている。シーレーン偵察の目的としては、米軍の軍事行動が行われた場合、前線基地となる日本への有効な打撃方法を探ることなどが考えられる。
また、集中討議は日本に関しても検討され、日本が同時テロ事件で自衛隊の米軍への後方支援を可能にする「テロ対策特別措置法」で対応したことに注目、対日政策は強硬路線を取ることが決定されたもようだ。
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一方、海上保安庁や警察当局では北朝鮮工作船が過去に東シナ海ルートを使って覚醒(かくせい)剤取引をしていたことがあったことや、偵察や情報収集任務の工作船が覚醒剤取引を兼ねていたケースもあることから幅広く調べを進めている。