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ラディンが母国サウジ入国を画策か−。アフガンからの逃亡説のほか、死亡説まで取りざたされる米中枢同時テロの黒幕ウサマ・ビンラーディン(44)が、国籍を剥奪された母国サウジアラビアへの入国を企てているとの説が浮上している。春に行われるメッカ巡礼=写真=の群衆に紛れて逃亡するとの計画。アフガンを追われた天下のお尋ね者の“聖地”は、やはり母国なのか。
アフガンのトラボラ地区に潜伏していたのが確認された後、足取りがプッツリと途絶えてしまったラディン。米軍はトラボラ地区だけでなく、アフガン国境に隣接するパキスタンにまで捜索地域を広げ、ラディンの行方を追っている。
こうしたなか、急浮上してきたのが、ラディンのサウジへの入国画策説だ。
英紙タイムズによると、複数の欧米情報筋の間で、ラディンがパキスタンからサウジにあるイスラムの聖地メッカへの巡礼一行に紛れ、逃亡するとの懸念が高まっているという。
ラマダンと同様、イスラム教徒の五行とされるメッカ巡礼は、イスラム教徒にとって最大の夢。特に、春のイスラム歴12月に行われる巡礼は「大巡礼」と呼ばれ、世界中のイスラム教徒2〜300万人がメッカに集まる大行事だ。
同紙によると、パキスタンからも12万人が来月中旬から何百というチャーター機に分乗し、聖地へと向かう。同紙は「この時期のセキュリティーは概して甘い」と指摘。
また、巡礼者は、男性なら白いガウンに頭を剃るという同じスタイルのため、ラディンも紛れやすいと説明している。
10年前、サウジ国籍を剥奪されているラディンだが、実家はサウジでも屈指の大財閥。メッカ巡礼の“窓口”となる街ジッダでは一族が今も暮らし、建設、通信などの事業を手広く行っている。
一族の間では「ウサマ」の名は禁句となるほど厄介者となったラディンだが、大家族のアラブ人は絆が強く、義理堅い人々だ。
さらに、親米で知られるサウジだが、実は国教のワハブ派は戒律が厳しく、国民の宗教意識は高い。このため、王家にさえラディンの支持者がいるといわれ、民衆の間にはいまだに同情論が根強い。
実際、今回のテロ事件でも実行犯19人中15人がサウジのビザを持っており、資金の多くもここから流れていたことが判明している。このため、テロ事件以来、米国ではサウジ批判が噴出。ラディンには好都合なことに、親密だった両国の関係もギクシャクしがちとなっている。
そもそもラディンの最大の怒りは、聖地を擁する母国に米軍が駐留していることとされる。アフガンを追われ、逃亡生活で疲れ切ったラディンが、聖地へと向かうことは十分に予想されるのだ。
ZAKZAK 2001/12/26