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【ニューデリー25日=佐藤浅伸】
13日に起きたインドの国会襲撃事件 を機に関係が一気に悪化したインドとパキスタンが戦争準備を着々と整えている。インドが、襲撃事件を起こしたとされるイスラム過激派の取 り締まりをパキスタンに要求、軍事攻撃をちらつかせた強硬姿勢を貫いているからで、事実上の核保有国として対峙(たいじ)する印パ関係 は極めて危険な水域に入った。
印パ両国軍は、ともに休暇中の兵士を呼び戻すなどして総動員体制を確保、カシミール地方の実効支配線(停戦ライン)、国境付近に兵力を集中している。実効支配線沿いでは両国が恒常的に砲撃を展開し、 互いの一部陣地を破壊、24日夜もインド軍兵士2人が死亡するなど、 死傷者の数が増え始めた。パキスタンからの情報によると、同国は数日前から核弾頭搭載可能な中距離弾道ミサイルをパンジャブ州国境 沿いに配備、インド紙(25日付)も、インド軍が核搭載可能な短距離ミ サイルを同国境沿いに移動させた、と報じた。
インドのバジパイ首相は国会襲撃事件直後に「軍事攻撃の可能性を 排除しない」と明言した。第三次印パ戦争(1971年)、カーギル紛争 (99年)といった過去の危機にも行わなかった駐パ大使の本国召還を決定、ニューデリーのパキスタン大使館員に対し、国外退去を求めるなど外交圧力も強めている。
インドが強硬姿勢を貫いているのは、「民主主義の象徴」(バジパイ首相)たる国会が襲撃されたことに対する怒りに加え、「テロとの戦い」を標ぼうするアフガニスタン攻撃が進むいま、パキスタンの支援するイスラム過激派による「越境テロ」の存在を国際社会に訴え、根絶する好機ととらえているからだ。
ただ、今のところ、インドは軍事攻撃の“脅し”をかけつつ、外交攻勢でパキスタンを追いつめる戦略をとっている。インドのヒンドゥスタン・タイ ムズ紙(25日付)などによると、インドは大使召還に続き、今後、駐パ大使館員の段階的引き揚げ、パキスタン国営航空の乗り入れ禁止、最恵国待遇の取り消しなどを計画している。
とは言え、現政権を主導するヒンズー至上主義のインド人民党(BJP) 内には強硬派が多く、パキスタンの対応次第では早急な軍事攻撃を求める声が高まりかねない。
(12月25日22:51)