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12/24 16:05 対話なしの特別自治に不満 イリアンジャヤ州の先住 外信27
共同
インドネシア東端のイリアンジャヤ州(パプア)=ニューギニア
島西部=で豊富な天然資源による収益の地元配分を増やすことなど
を柱とした「パプア特別自治法」が来年一月から正式に施行される
。オランダの植民統治を経てインドネシアに併合され、抑圧されて
きたメラネシア系先住民の間で根強い独立機運に対する政府の融和
策だ。
しかし、同法が地元の民意を十分にくみ上げることなく制定され
た経緯もあり、政府への不信感や独立を求める声も依然強く、先住
民の間の不満は簡単には解消されそうもない。
「パプア人(先住民)が求めているのは独立を問う住民投票だ」
。地元大学生らは同州の将来について民意を問うよう求め、今月半
ばから連日数百人規模のデモを組織。十八日には州都ジャヤプラで
州議会の敷地を占拠、二十二日には一部が警官と衝突した。
ある男子学生(27)は「メガワティ大統領が問題解決を望むな
ら住民との対話が必要」と訴える。
同法は政府と一部の州指導層との協議を経て決められたが、穏健
派の独立運動組織「パプア評議会」のアルア事務局次長は「一方的
決定で受け入れられない」と話す。聖職者、教育者、非政府組織(
NGO)からも対話を求める声が出ているが、政府は応じない姿勢
だ。
同州は金、銅、石油などの天然資源が豊富で、インドネシアと外
国資本による開発対象となってきた。先住民への利益還元は少なく
、国軍などが先住民を抑圧、生活や文化が根こそぎ破壊される現象
も各地で起きた。これまでに約十万人が犠牲になったとされる。
国連が関与して一九六九年にインドネシアへの併合を決めた投票
も、約八十万人の一般住民は直接参加せず、インドネシア主導で選
ばれた千二十五人の゛住民代表″で実施された。
地元人権団体のルンビヤクさんは「パプア人の目にはインドネシ
アが新たな植民地主義を持ち込んだとしか映らない」と話す。
先住民でもあるサロッサ州知事は「改革を望む住民の多くは特別
自治法を支持すると思う」とする一方で「すべてを具体化するには
さらに協議が必要で、準備には最低でも一年から数年はかかる」と
、今後の課題が多いことを認める。
十一月に独立運動最高指導者でパプア評議会議長テイス・エルア
イ氏が殺害された事件も、国軍の関与が指摘されているが、真相解
明には至らず、先住民の間の政府への不信感や不満を増幅させてい
る。(ジャヤプラ共同=八谷敏弘)
(了) 011224 1605
[2001-12-24-16:05]
12/24 16:04 パプア特別自治法とは 外信28
パプア特別自治法 今年10月にインドネシア国会で採択され、
来年1月から施行。州名をインドネシア併合後に定められた「イリ
アンジャヤ」から先住民らが使う「パプア」と改称、豊富な天然資
源による収益の地元への財政配分を増やす。同州への配分は200
2年度には前年度比約3兆8000億ルピア(約484億円)増え
る見通し。同州の文化的シンボルとして独自の旗の掲揚なども認め
、先住民の権利と歴史を尊重するため伝統的指導層らによる「パプ
ア住民評議会」などの機関の新設も明記している。(ジャヤプラ共
同)
(了) 011224 1603
[2001-12-24-16:04]