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【カブール18日=石井利尚】アフガニスタンの首都カブール周辺で、タリバン打倒の主役となった北部同盟兵士による金品強奪や略奪事件が相次いでいる。同盟内の派閥を率いる司令官からの給料不払いが原因とされ、22日の暫定行政機構発足を控え、事実上の治安維持にあたる兵士の規律の乱れに、国民の間には不安の声が出ている。
カブール南5キロの農村では、幹線道を警備する自称カヌニ派(次期内相)の兵士が17日夜、通行中の運転手(35)に銃を突きつけて車の強奪を図り、現金10ドルを巻き上げる事件が発生。兵士は「上司が給料を支給しないため」と説明したという。
給与未払いの理由について、ある司令官は「北部の鉱山資源が北部同盟の戦闘資金の主要財源だったが、戦線拡大にともなって大量の新兵を農村から雇ったため金が回らない状態になった」と説明するが、保安省勤務のある兵士は、「司令官クラスが省のカネを着服して給料を払ってくれないため、非番中に町を物色して金品を脅し取る仲間がいる」と幹部の腐敗が原因と指摘する。
カブール陥落後、市場には北部同盟兵士が略奪したと見られる絵画やじゅうたんが大量に出回った。「ある兵士が売却した盗品を、別の派閥の兵士が押収、それを違う市場で売る手口が流行している」(同省兵士)という。
特に、これまで北部同盟の中心となりながら22日には権力を手放すラバニ派の兵士の間に「多国籍軍が進駐する前に、金品を取れるだけ取っておこうとする傾向」(関係筋)があるといい、これが北部同盟軍全体の規律にも波及しているようだ。(読売新聞)
[12月18日18時50分更新]