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【イスラマバード17日=黒沢潤】
二十二日に暫定行政機構が発足する新生アフガニスタンが隣国パキスタンを飛び越してインドと急接近しつつある。新閣僚が相次いで訪印しているためで、十八日にはファヒーム国防相がインド入りする。カシミール紛争などでインドと敵対するパキスタンは、自国の安全保障確保のためにも新生アフガニスタンとの関係構築を迫られることになる。
暫定行政機構のカヌニ内相は今月六日から初の外国訪問先としてインドを訪問し、アドバニ内相らと会談、新警察機構の導入支援(来年二月)の確約を取りつけた。また一億ドルの融資をはじめ、百万トンの小麦や五トンの医薬品の提供を受けるなどインドとの結びつきを急速に強めている。
アブドラ外相もその後インド入り。ファヒーム国防相も続いて十八日に訪印するなど、新生アフガニスタンがインドと積極的に関係構築を進めようとする姿勢は一段と鮮明になっている。
こうした二国間の接近に焦りを感じているのがパキスタンだ。十日付のパキスタン英字紙「ニューズ」は、社説で「パキスタン外務省はカヌニ氏らの相次ぐ訪印を悲劇と感じる必要はない」と書いたほどでパキスタンの焦燥感は明らかだ。
パキスタンの全面支援によってタリバンがカブールを制圧した翌九七年に結成された北部同盟は、タリバンが勢力を伸長するにつれ次第に北方に駆逐された。北部同盟はこの間、パキスタンと敵対するインドから支援を受けてきた経緯がある。
しかし、タリバン政権が崩壊し、アフガン新機構の内相、外相、国防相のポストにカヌニ氏、アブドラ氏、ファヒーム氏ら北部同盟出身者の就任が決まったことで、アフガニスタンの対パキスタン政策は大きく見直されようとしている。
三国をめぐる政治のパラダイムが大きく変わろうとするなか、パキスタンのムシャラフ大統領は対新生アフガン政策をめぐり、早くも重大な正念場を迎えている。