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9・11米本土同時多発空爆テロを契機とした「対テロ軍事作戦」では、湾岸戦争や旧ユーゴスラビア紛争など限られた軍事行動を除き“自主独立”を貫いてきた対外政策を大きく転換し、世界に対して、「ブッシュ政権を支持するのかそれともテロリストを支持するのか二つに一つ」と恫喝し、アメリカの軍事行動に対する支持や参戦を求めた。
現実の「対アフガニスタン虐殺作戦」は、ご存じのように、圧倒的な空爆力を持つ米軍とそれに後押しされた“買収”北部同盟地上部隊によって進められてきた。
我が日本軍や英国軍など米同盟国の参戦は、象徴的なものに過ぎず、実質的な軍事役割は担っていない。派遣以前から言われているように、足手まといになるだけで、いてもいなくもいい存在である。
そうでありながら、ブッシュ政権が世界に支持や参戦を求めた動機はなんであろうか?
● 対テロという国際社会共通の目的だから
もっともらしい動機だが、「世界の警察官」を自認してきたアメリカ合衆国が一人では手に余るという“敵”ではないから、決定的な動機ではないだろう。
● いわゆる「宗教の対立」や「文明の衝突」としないために、アラブやイスラム諸国の支持が不可欠だから
これももっともらしい動機だが、イスラム諸国家も自国に存在する“テロ組織”には手を焼いており、今回の件でことさら支持を求める必要はない。
● タリバン政権という9・11空爆テロと直接は関係ない国家を攻撃することで沸き起こる非難を避けるため
これもあり得る動機である。上記二つに対する捕捉説明にもなるが、これまでのアメリカ合衆国の振る舞いから、世界中がアメリカがやると叫んでいるんならしかたがない、アメリカを止める力を持っている国はないんだから、であろう。
ブッシュ政権が、自衛権と報復を旗印に、単独でアフガニスタンを攻撃していたとしても、それを非難した国家は今非難している国家の数とそれほどは変わらなかったであろう。
----------------------ここまでが常識的な見方で、以下が妄想的な見方
● イスラエルのシャロン政権が後で起こすと予定していた軍事行動を正当化するための露払い
シャロン政権が、ブッシュ政権そのままの正当化で「パレスチナ人虐殺作戦」を開始し拡大していることから十分あり得る動機である。もし、「対テロの戦いは世界共通の戦いである」とか「対テロの戦いを支持しないのはテロリストの側に立つものである」といったブッシュ政権の宣言を受け止めた世界の諸国家が大きな支持を表明するという“歴史過程”がなかったら、国際社会は、シャロン政権の虐殺を今のように見過ごしてはいなかっただろう。
世界は今「対テロ」の罠にはまっている。
● 9・11空爆テロの真相が漏れたとしても世界に対し言い逃れが出来るため
これに強い動機を感じている。“文明世界”の国家や大手メディア(米のABCは除く)は、9・11空爆テロにアメリカ(権力機構の一部)やイスラエル(モサド)が関わっているかも知れないということはおくびにも出さないが、イスラム世界では“常識”とも言える見方である。
もしも、ブッシュ大統領や閣僚レベルは関与していないとしても、アメリカの権力機構の一部が9・11空爆テロに関わっていたことが発覚したら、どうなるだろう。
◆ ただただ、びっくりする
これまでウサマ・ビンラディンの仕業と信じていた“良心的な”人々は、ただただびっくり仰天かもしれない。一時的な思考停止と行動停止に陥る。そのあとしばらくは物事を信じられなくなる。
◆ ちょっとびっくりしたけど、テロリストを叩けたのだからOK
いいんだ、いいんだ、自由世界に逆らうテロリストやタリバンを叩けたのだから、3千人ちょっとの犠牲を出した“仕掛け”ぐらいどうってことない。こういう人々や国家統治者は、立派に“来世”(=これから築かれようとしている世界)に導かれるだろう。次のテロリストはどこだ!と叫びかねない懲りない面々である。
◆ ふざけるなと怒る
これまで、さあ、タリバンをやっつけろ、ビンラディンはまだか、と心の中で叫び続けてきたオレの良心はどうなるんだ。何とか仕返しをしてやる。
◆ とても悲しく辛い、アフガニスタンの人たちに申し訳ない
米軍の空爆で死んでいったアフガニスタンの人たちのことを思うと...。
◆ こまったなあ、支持するだけじゃなく軍隊まで派遣して参戦してしまったぞ
ただのアホだった政権担当者や議員たちである。こう思う政治家やそこの国家は、“来世”に快くは導かれないであろう。アホはあまり役に立たないからね。
◆ 知ってたさ、わかってて参戦したに決まってるじゃないか
“強欲者”そのものか彼らに奉仕する“ミニ強欲者”である。適当に言いくるめて、ブッシュ政権が責任者何人かを処罰すれば済むことだ。もともと思考停止状態にある国民なんかすぐにこのことを忘れるさ。とにかく、グローバリズムや自由主義経済に反旗を翻す奴は、皆殺しにするしかないんだ。アルカイダに代わる“手先”はもう手配済みだろう。こういう人々が、“来世”を主体的に築いていこうとする。
◆ だから、ちゃんと捜査してから言動を決しろといっただろう
ブッシュ政権の「9・11空爆テロはウサマ・ビンラディンの犯行」宣言に当初から疑義を抱いていた人々である。このような人々や国家(あるのかなあ?)が、その事態を受けて、今後どう対応していくかが最重要問題となるだろう。
9・11の真相が仮に“アメリカ主導”という内容で明らかになったとしても、ブッシュ政権の「対テロ軍事行動」を支持したり、それに参戦した国家や政治家は、自分の判断ミスを差し置いてブッシュ政権だけを非難するということが出来ない状況に陥る。
ブッシュ政権に言わせたら、「こっちが示した証拠でウサマ・ビンラディンがやったことだとみんなが納得したじゃないか。こっちも同じように同じ証拠で納得したんだ。みんな同罪なんだ。」というだけだ。
このとんでもないブッシュ政権の居直りに対して、「対テロ軍事活動」を支持してしまった国家は、心の中で「そんなあー、オレは政権から引きずり降ろされるというのに...」と恨み言をつぶやくだけで、その後はただ沈黙するしかないだろう。
もちろん、ブッシュ政権が崩壊する可能性も高いと思う。しかし、それは、アメリカの国民やメディアの対応次第だ。
そして、恥知らずの大手メディアは、自分の罪を宇宙にまで吹っ飛ばして、手のひらを返したような“ブッシュ政権叩き”を展開するだろう。これは、国民の怒りに対するガス抜き効果にも役に立つ。ジャーナリストや評論家も、似たような対応だろう。
まあ、“妄想”の前提(アメリカ主導説)自体が妄想だと言われる状況に“文明世界”があることは変わっていないのだが....。