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米ナショナリズムを厳しく批判−チョムスキ−、ソンタグ両氏【朝日新聞12月11日付】
テロ後の発言、相次ぎ翻訳
同時多発テロ以来、ナショナリズム的な締め付けがきつくなった米国の言論界で、言語学者ノーム・チョムスキー氏、作家スーザン・ソンタグ氏は、立場は違うが批判をおそれず発言を続けている代表的な知識人だ。2人のインタビューが、単行本や雑誌で相次いで翻訳された。
チョムスキー氏の、世界のメディアからの質問と回答をまとめたのが『9.11 アメリカに報復する資格はない!』(山崎淳訳、文芸春秋)。これ以上の悲惨を避けようという熱意が伝わってくる。
同氏は、今回のテロは「文明の衝突」ではなく「人類への犯罪」であり、パレスチナの人々には「破滅的な一撃」を与えたと厳しく批判。必要なのは犯人の捜索、法廷での審議と判決、そしてテロリストを生む「怨念
と憤激の貯水池」の解決だと強調した。
なぜ米国が理性的反応をしないのかについて同氏は、米国こそニカラグア介入で86年に国際司法裁判所から有罪判決を受けた囲で、国連決議さえ無視した過去があると指摘。85年のベイルートでの自動車爆弾テロなど、米国が関与したとされる数々の事件をあげ、米国の態度を批判している。
同氏のインタビューは10月初旬までのものだが、米軍が戦闘に入った後の事態もほば現実通り見通している。
一方、ソンタグ氏は、テロ直後に「ニューヨーカー」に寄せた一文に対し、「アメリカ嫌い」「裏切り者」と評論家などから猛攻撃を受けた経過を語る(「わたしは『裏切り者』か」すばる1月号、青山南訳)。
「批判している連中は、わたしたちにある程度の影響力があるから、怒り狂っている」と切り捨てるが、メディアの自己検閲の想像以上の広がりにあきれはてている。
同氏はセルビア独裁への空爆を支持したことでも有名だが、民間人の犠牲が出たことにとまどったと語る。今回の「戦争」については批判的だ。