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シャロンが作っている戦争 アダム・ケラー(イスラエルの平和団体グーシュ・シャローム)
一年以上に渡って、メディアや政治的軍事的システムにおいて、イスラエルとパレス
チナの間で起きていることは戦争なのか、それとも単なる「衝突」なのか、について
議論されてきた。今朝早く、この疑問は解消された。それは、実際に戦争だったのだ。
イスラエル政府は公式かつ公的にパレスチナ自治政府とアラファト議長を敵であると
宣言し、陸と海から行動的かつ攻撃的にその戦争を遂行するよう、指揮下の軍隊に指
示を与えた。
これは偶然に起こったことではない。それは、事実として、2月に権力を引き継いで
以来、アリエル・シャロンが行ってきた政策の論理的到達点である。そして、事実と
して、これらは、PLOを破壊しアラファトを追放する目的で彼が陰惨なレバノン侵略
を先導した、1980年代初期における防衛相としてのシャロンの政策の直接の延長でも
ある。
首相になって以来、シャロンはこの全面戦争にじりじりと歩を進めてきた。抑圧の手
段は確実に積み上げられ、昨日の非道な新作戦は、今日の慣例となる。シャロンがそ
の就任の第一週目において、ラマッラーで実行し、国際的な抗議を引き起こした「窒
息するほどの封鎖政策」は、事実、現在西岸全ての町と村で行われている包囲作戦に
比べれば、随分とましなものである。
そして、同様の、次第に慣らしていくというプロセスはパレスチナの都市への爆撃に
ついても進行してきた。それは、最初、(すでにBarakによって始められていたよう
に)武装ヘリコプターによって行われ、次にF-16戦闘機によって、それからテロ
容疑のパレスチナ人に対するより広範囲にわたる暗殺作戦となり、そしてパレスチナ
自治区への武装侵略となった。最初の攻撃は数日間、後に数週間、そして数ヶ月間と
いう具合に。
シャロン政権の期間中、調停の努力や計画が多くあった。首相が、それらを公然と拒
否することはほとんどなかった。どちらかと言うと、彼はこれまでのところ 「完全
証明法」とでもいうのようなものを用いた。それは、いかなる実質的な交渉をする前
に、7日間の「完全な、無条件の停戦」の実施をを厳く要求し、その上で、新たな停
戦が実現しようとする直前に、ひどい挑発をするというものである。
1週間と少し前に起きたことは、この方法の、特に効果的な利用であった。最近の調
停者である米国高官ジニが来る2,3日前に、シャロンは、武装ヘリコプターによる
マフムード・アブ=フヌドの暗殺を認可した。彼は、ハマスの大変著名で人気のある
リーダーであり、特に、暗殺が、イスラエル軍の工兵によって仕掛けられた爆発物に
よる5人のパレスチナ人の子どもの死(それは表向きには、事故だった)によって、
パレスチナの世論がすでに怒りに沸いていたときに行われこともあり、ハマスの残忍
な方法による復讐を招くことは確実であった。
計画は、実際、きわめて明白であった。当時、それはメディアでコメントされていた。
物知りなアレックス・フィッシュマンは、 イェディト・アハロノット(11月25
日)において、アブ=フヌドの暗殺は、自爆攻撃をしないというアラファトとハマス
の間の暗黙の合意―その合意は、数ヶ月間にわたって効力を持ち、その存在は数十人
のイスラエル人の命を救ったはずだった―を壊したと指摘していたのである。
シャロンの機密記録を調べなければ、首相がその後の出来事を本当に望んでいたとい
うことを最終的に証明することはできない。彼と彼の軍事諜報顧問がアブ=フヌドの
暗殺が何を結果するのか十分に知っており、にもかかわらず、その命令を下したこと
は間違いない。そして、26人の無作為に選ばれたイスラエル人の死を起こしたハマ
スのおぞましい復讐が、シャロンをこの上なく利したということも間違いない。
それは、アラファトに宣戦布告をする完ぺきな口実を与え、効果的にジニの任務をぶ
ち壊し、行政的な内輪もめをしていた米国外務省に対して、国防省タカ派の優勢を導
いた。
結果として、パレスチナ人に対するシャロンの猛攻撃は、ワシントンからの前例のな
い公然の支持を得ることになった。その種の支持を得ることで、シャロンは、外務大
臣のシモン・ペレスに対して――これまでそのノーベル賞受賞者および和平調停者と
しての国際的権威がシャロン政権にとって決定的に重要であった――、公然と軽べつ
的な態度を取る余裕ができた。今、首相は、内閣に彼の宣戦布告を強引に押しつけ、
ペレスの反対を無視する余裕を持った。
シャロンは、彼の新しい政策が「テロリズムに対する戦争である」と吹聴してきた。
しかしながら、どうしたら、決してイスラエル空軍の許可がなければ、いずれにせよ、
飛ぶことができなかったヤセル・アラファトの個人的なヘリコプターを空爆し、破壊
することで、「テロリズムと戦う」という目的を進めることができるとまじめに主張
することが、どうしてできるのだろうか?
あるいは、戦車とブルドーザーを使ってガザ国際空港――ビル・クリントン大統領そ
の人によって3年前に開港し、インティファーダの開始以来、閉鎖されていた空港―
―の滑走路に復讐することで(「テロリズムと戦う」のだと、どうして主張できるの
か)?
あるいは、つい最近イスラエルの戦車によってそのかなりの部分を占領され、その結
果、パレスチナ人の反乱の強度は少しも衰えることのなかったラマッラーを再び侵略
することによって(「テロリズムと戦う」のだと、どうして主張できるのか)?
あるいは、少なくとも、パレスチナ警察と警備隊の施設――そこを使って、パレスチ
ナ人闘士と対決するという、困難で、慎重な扱いを要する仕事をアラファトがちょう
ど始めたところであった、まさにその機構――を系統的に狙って破壊することによっ
て(「テロリズムと戦う」のだと、どうして主張できるのか)?。
西岸とガザ地区におけるイスラエルの占領およびそこでの入植地を維持し、パレスチ
ナ国家の出現を押さえ込もうと決意しているイスラエルの首相の展望を考えれば、こ
の数日のシャロンの行動は全てよく辻褄が合う。
いずれのケースにしても、シャロンは、わずか2週間前にパウエル長官が述べた、こ
の地域の将来に関する合衆国の未来像――イスラエルと平和に共存できる、存続可能
なパレスチナ――を破壊することにおいて、ブッシュ政権の支持を得つつあるように
思われる。
アダム・ケラー テルアビブ、2001年12月4日
原文はここにあるらしいが よめましぇん
http://www.gush-shalom.org/
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