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| ★阿修羅♪ 戦争７ ★阿修羅♪ |
〜 新世紀へようこそ ０６０〜
今の時点でのいくつかの疑問
マスメディアの報道の中には、アフガニスタンですべ
てがうまくいっているような印象のものがあります。
アメリカの武力行使のおかげで、圧政を敷いていたタ
リバンは崩壊・消滅し、全土が解放された。
人々の顔には喜びがあふれ、女性たちはブルカを脱い
で自由を満喫している。
暫定政権を作る動きも順調で、みんなが力を合わせて
住みやすい国が再建しようとしている。
日本でさえそうなのですから、アメリカの一般メディ
アではいよいよこのハッピーエンドのストーリーが広め
られていることでしょう。
しかし、何かおかしい。何かがすり替わっている。
なぜアフガニスタンに爆弾の雨が降らなければならな
かったのか、最初に戻って考えてみると、どうもよくわ
からない。
以下は今の時点でのぼくの疑問です。
***
１ 事件が起こったのはアメリカであり、直接の準備は
（今わかっているところでは）アメリカとドイツで行わ
れた。
テロリストの多くはサウディアラビア人であったらし
い。
では、その後のアクションの舞台がもっぱらアフガニ
スタンになったのはなぜか。
９月１１日にニューヨークの世界貿易センタービルと
ペンタゴンがテロ攻撃を受けたことと、今、アフガニス
タンが巡航ミサイルや、Ｂ−５２による絨毯爆撃、クラ
スター爆弾や核兵器に次ぐ大型爆弾などによって破壊さ
れつつあることの間に、いかなる論理的な繋がりがある
のか。
アフガニスタンの村に生まれて、育って、結婚し、子
を生み、子を育て、ふつうに暮らしてきた人々の頭上に
Ｂ−５２が飛来して爆弾が降ってきた。たくさんの人が
死んだ。
では、そこで死んでいった人たちに、ＷＴＣで亡くな
った３０４５人の死に対する責任が本当にあったのか。
アフガニスタンに潜伏しているビン・ラディンを逮捕
するためだというが、「誤爆」によって多くの民間人を
殺すような武力行使は警察権を大きく逸脱するものでは
ないか。
２ アメリカ国内にもわからないことが少なくない。わ
からないというか、隠されているというか。
あれだけの事件を未然に防げなかったＣＩＡとＦＢＩ
の責任、ブッシュ大統領府の行政責任はどうなったのか。
彼らさえしっかり仕事をしていたらあの事件はなかっ
たという怒りの声（ちょうど今の日本における厚生労働
省に対するような）はないのか。
９月１３日の段階で既にパウエル国務長官はビン・ラ
ディンを容疑者としている。そう判断するだけの情報が
あったとすれば、なぜその二日前の大犯罪が防止できな
かったのか。
９月１１日にＷＴＣにユダヤ系の人たちがいなかった
という噂がある。彼らはあそこで何かが起こることを事
前に知っていた。一説によれば、イスラエルの情報機関
モサドが計画を探知してアメリカに警告したのに、アメ
リカは聞かなかった。モサドはニューヨークに住むユダ
ヤ系の人々にその日はＷＴＣに行かないよう呼びかけた。
この説の真偽はどうなのだろう。
アメリカ政府は、ビン・ラディンの身柄を拘束できな
い場合は殺害も可と公言した。
裁判を経ることなく人を殺すのはテロであり、リンチ
である。
それはテロだという声はアメリカ国内からは挙がらな
かったのか。
アメリカ国民は自国がテロ国家であることを容認した
のか。
炭疽菌事件とはいったい何だったのか。
郵便物の経路を逆にたどるのはさほどむずかしいこと
ではないはずなのに解明はなかなか進まなかった。
また菌そのものの分析から、出所がアメリカ軍関係だ
ということがわかるのにも時間がかかった。
それはいかなる理由によるものか、また実行犯が今も
って特定されないのはなぜか。
３ 今、アフガニスタンはどうなっているのか。
タリバンがいなくなって、事態は国民全体の目から見
てよくなったのか。
タリバンの支配にさまざまな問題があったのはわかっ
ている。しかし彼らはそれなりの行政を敷いてきた。多
民族で、外部からの攪乱も多くて、まとまりにくい国を
ともかくまとめてきた。
その政権が倒された今、北部同盟と、アメリカ軍をは
じめとする西側の軍隊、国連、各種ＮＧＯなどによって、
国内の秩序は維持されているのか。
武装した盗賊が勝手なことをしているので、食糧の運
搬がむずかしくなったという情報がある。パキスタンの
トラック運転手が危ないからアフガニスタンには行かな
いと言っているとか。
雪が降れば、食糧運搬はいよいよ困難になる。
子供たちの予防接種の計画はどうなったのか。
アメリカ軍が落としたクラスター爆弾の不発弾が約
５０００発散らばっていると言われるが、これは誰が回
収するのか。
飢餓や病気や寒さで、アメリカ軍の爆撃がなければ死
ななかったはずの人たちが、この冬の間に大量に死ぬこ
とはないのだろうか。
外からの介入で（その最たるものはアメリカの武力行
使と武器援助だが）、北部同盟を主体とする暫定政権が
作られようとしている。
この政権に正統性はあるか。国民の支持は、少なくと
も過半数の支持は、あるか。
女性解放の問題一つを取っても、タリバンに対抗して
アフガニスタン女性の人権を守るべく活動してきたRAWA
という団体は、北部同盟を政権の座に就けることに強く
反対している。事態がよくなるとは思えないと言ってい
る。
言ってみればアメリカ政府は、癇癪をおこして壊して
しまった玩具をなんとか形ばかりでも動くようにしよう
といじっている。電池を入れ替えている。イギリスをは
じめとする西側諸国も（日本を含む）それに手を貸して
いる。
しかしその電池は昔、もう駄目だと一度捨てられたも
のだ。アメリカ政府は大量の武器援助で再充電したつも
りだが、電池の寿命は本当に延びたのか。
４ これでアメリカは、圧倒的な武力さえあればすべて
思い通りになるという教訓を得たのか。世界中に恐れる
ものはないと考えているのか。
それはいわゆる同盟国も含む他のすべての国々にとっ
て脅威ではないのか。
核兵器を作ったパキスタンはつい先日まで制裁の対象
国だった。彼らが核兵器を放棄したわけではないのに、
アメリカは現実的な理由からパキスタンを援助するよう
になった。
人権外交を標榜していたはずなのにアメリカ政府は、
パレスチナを破壊するイスラエル、チェチェンを攻撃す
るロシア、チベットを抑圧する中国、アチェで軍事テロ
を展開するインドネシア、クルド人を排除しようとする
トルコ、タリバンとさほど変わらぬイスラム原理主義的
圧政を敷くサウディアラビア、等々の国の政策を事実上
容認あるいは支援してきた。
アメリカ政府が言う正義とは、実はアメリカの国益の
ことではないのか。
５ 結局のところ、２１世紀は言葉よりも武力がものを
言う、今まで以上に住みにくい時代になるのではないか。
（池澤夏樹 ２００１−１２−１４）
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☆ほんま同感．．．
次の投稿でブッシュ＆パウェルのＦＡＸ＆メルアド載せるから だれかこれらを↑訳して 質問して欲しい．．．
題名には必ず「阿修羅さんへ」と記述してください。