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【ニューヨーク11日=勝田誠】国連総会は11日、米国ユタ州ソルトレークシティーで2002年2月に開催される冬季五輪の期間中に停戦を求める「五輪停戦」の決議案を、加盟189か国中、170か国の支持により採択した。米国提案の停戦決議は、継続中の対テロ軍事行動の長期化を見越して、戦争行為の停止、中断を求めてきた過去の決議と一線を画し、「選手の安全な通行と競技参加の保証」を求める表現にとどめる内容となっている。
米政府はこれまで、対テロ軍事行動を最優先課題と位置づけ、五輪を理由とする全面停戦を認めない姿勢を明らかにしており、決議採択後も「決議に戦闘停止を求める表現はない」(米政府国連代表部)との立場を明確にしている。
国際オリンピック委員会(IOC)のジャック・ロゲ会長は、対テロ掃討作戦が始まった10月以降、五輪停戦決議案の文言を模索していた。しかし、米政府が停戦に応じる可能性は皆無だと判断し、先の米USAツデー紙とのインタビューなどで、五輪開催国の米国の判断に理解を示し、譲歩する姿勢をすでに明らかにしていた。
五輪停戦は、ギリシャにおける古代五輪を起源とする停戦の精神に基づき、国連総会が加盟国に対して、選手の安全な五輪参加の保証を求める決議。IOCのサマランチ前会長が国連に対して働きかけた結果、1994年のリレハンメル冬季五輪を前に採択されて以来、慣行となってきた。
国連総会の決議には強制力は無い。しかし、98年の長野五輪の際には、米国のイラク空爆の時期を結果的にずらすなど、多少の抑制効果があるとも指摘されてきた。(読売新聞)
[12月12日11時34分更新]