投稿者 倉田佳典 日時 2001 年 12 月 08 日 19:34:26:
12/08 16:00 大統領の地元人脈が台頭 ロ政権内で権力闘争激化 外信58
共同
ロシアのプーチン政権内で、大統領と同じサンクトペテルブルク
出身者が台頭、エリツィン前政権の生き残り組との権力闘争が激化
している。背後では前政権時代に暗躍した政商ベレゾフスキー氏に
代わる新たな政商の存在もちらつく。
両派を分割統治してきた大統領は立場を鮮明にしていないが、政
権ナンバー２のイワノフ国防相の解任のうわさも出ており、政権の
勢力図が大きく変化して外交政策にも影響するとの見方も出ている
。
昨年五月に発足したプーチン政権は、カシヤノフ首相やウォロシ
ン大統領府長官ら前政権からの居残り組と、国防相やパトルシェフ
連邦保安局（ＦＳＢ）長官らサンクトペテルブルク出身者による混
成部隊。
最近「四人組」とも呼ばれ、伸長が著しいのは、パトルシェフ長
官、セーチン、イワノフ両大統領府副長官、それにザオストロフツ
ェフＦＳＢ副長官。いずれもサンクトペテルブルク人脈の大統領側
近で、セーチン氏を除く三人は大統領と同じソ連国家保安委員会（
ＫＧＢ）出身だ。
四人組の後ろ盾といわれるのが同じくサンクトペテルブルク出身
の銀行家、プガチョフ氏。ひげをはやした容姿から、帝政時代末期
に皇帝に大きな影響力を持った怪人物ラスプーチンの再来とも呼ば
れる。
十月にエリツィン前政権派のアクショネンコ鉄道相を最高検が職
権乱用罪で起訴。莫大（ばくだい）な鉄道省の権益を狙う四人組と
プガチョフ氏が背後にいるとの見方が強い。
さらにウォロシン大統領府長官の交代説が飛び交うなど前政権派
への「総攻撃が始まった」（テレン・モスクワニュース紙副編集長
）。同長官の後がまを狙っているのはパトルシェフＦＳＢ長官とい
われる。
サンクトペテルブルク派にも内部対立があり、四人組が国防相の
解任を画策しているとの観測もある。
国防相は米軍の中央アジアへの展開に当初、否定的反応を示し、
配備に同意した大統領との足並みの乱れが表面化。徴兵制から志願
制への軍移行でも微妙な対立があるとも言われる。
大統領は、側近がベレゾフスキー氏ら政商と結託して権益を独占
した前政権を批判、腐敗追放を掲げているが、自らの側近である四
人組と新たな政商の動きには何も言及していない。
権力闘争について、テレン副編集長は「サンクトペテルブルク派
がポストや権益を独占すれば、情実人事で政治を駄目にした前政権
や旧ソ連のブレジネフ政権と同じ轍（てつ）を踏む」と懸念してい
る。（モスクワ共同＝吉田成之）
（了） ０１１２０８ １６００
[2001-12-08-16:00]
題名には必ず「阿修羅さんへ」と記述してください。