投稿者 FP親衛隊国家保安本部 日時 2001 年 12 月 08 日 12:33:55:
外務省は、米国がかりにイラクを攻撃した場合、政府としてどのような対応をとるべきかについ て、内々の検討を始めた。ブッシュ政権が現実にイラクにも戦線を広げるかどうかは、政府内で も見方が割れているが、自衛隊による米軍支援の可能性も含め、対応措置を考えておく必要 があるとしている。
外務省は、米国がイラクを攻撃する場合の理由として3つ考えられると指摘する。(1)テロ支援 国家(2)大量破壊兵器の開発疑惑に対する査察拒否(3)テロ事件におけるオサマ・ビンラディ ン氏やアルカイダとの具体的なつながり――だ。
国務省の「テロ支援国家リスト」にイラクが含まれていることだけを理由に攻撃に踏み切ることは 考えにくいが、もしそうなれば、日本としては「支持」はできず「理解」にとどめるという案が有力 だ。
フセイン政権が国連による兵器査察を拒否したことが攻撃の根拠となる場合は、「支持」の可能 性が高そうだ。「査察拒否は安保理の湾岸戦争停戦決議の違反。安保理はそれに先立ち武 力行使の容認決議をしている」ので、「支持」は国際法上も妥当だ、というのが、外務省の見解 だ。
ただ、いずれの場合も9月の同時多発テロへの対応に限ったテロ対策特別措置法の適用はな じまない。自衛隊の米軍支援は難しい。
問題は、米政府が、イラクがビンラディン氏やアルカイダのテロ行為に関係していたと結論づけ る場合だ。テロ特措法の枠内なら、自衛隊による米軍支援の活動地域は「無限定」(小泉首 相)とされている。提示される証拠の説得力にもよるが、「証拠が明白なら、支援しない理由を 探すのが難しい」と外務省幹部はいう。自民党内にも「基本計画を作り直し、イージス艦も同行 して、万全の態勢で行かなければならない」(加藤紘一元幹事長)との声がある。
外務省や防衛庁では、「米側の対イラク発言は、大量破壊兵器問題に対するけん制球の意味 合いが強い。そもそもイラク攻撃は国際社会の支持を得られない」との見方の一方で、「展開し ている部隊をイラク攻撃に差し向けることは、軍事的効率性から見て十分あり得る」との指摘も ある。
ただ、パレスチナ情勢の緊迫で、日本の判断が難しくなる可能性は高い。イスラエル寄りの姿 勢を見せる米国がイラクを攻撃すれば、アラブ諸国の猛反発が予想される。日本はこれまで、 イスラエルとパレスチナ自治政府の双方と一定の関係を保ってきただけに、対アラブ外交の面 でも厳しい選択となる。(09:14)