投稿者 FP親衛隊国家保安本部 日時 2001 年 11 月 28 日 20:47:51:
米軍が22日、事実上崩壊したタリバンの本拠地カンダハルに投下した大型燃料気化爆弾「デイジーカッター」=写真。25日から始まったカンダハル周辺への大規模な海兵隊投入を控え、今回で3発目の使用となったが、米軍は通常型爆弾では最大の破壊力を持ち、小型戦術核に次ぐ同爆弾で、タリバン軍の戦意喪失→完全壊滅を狙う。
「攻撃対象に物理的な損害を与えるだけでなく、大きな心理的打撃を与える意図がある」−。米中東軍司令部のローウェル報道官は23日、前日のデイジーカッター使用についてこう言及した。
デイジーカッターの正式名称は「BLU−82B」で、重さ約6.8トン、全長約3.6メートル、直径137センチの燃料気化爆弾だ。これを使用すると、地上は炎に包まれ、周辺部にまで強い衝撃波が及び、酸欠状態になるといわれる。
威力が及ぶ範囲も広く、ベトナム戦争時には、直径約80メートルにわたってジャングルが消し飛んだ。人間に対しても最大直径500メートルの範囲で非常に高い致死率となり、「広島型原爆の1000分の1程度の威力がある」(米軍関係者)。
1発約330万円と比較的安価ながら威力が強いため、パラシュートをつけ高度約1830メートル以上から投下する。
大きな特徴は、通常の燃料気化爆弾とは違って液化燃料ではなく、アルミニウムの粉末などからなる細かい固体粒子燃料をばら撒き、粉塵爆発を利用すること。専門誌「軍事研究」編集部の大久保義信氏は、「粉塵爆発や緩燃性の火薬のほうが即燃性の火薬より広範囲に大きな衝撃が及び、効果が大きい」と指摘。
ルーツは第二次大戦でイギリスがドイツ空襲に使用した爆弾『ブロックバスター』にあるとされる。
「これは重さ4トンのドラム缶状の爆弾だったが、これもゆっくり燃える火薬を使用し、市街地破壊に威力を発揮した。イギリスは多くの炭鉱があり、炭鉱での粉塵爆発の経験も多いことから、それをヒントに緩燃性の爆弾を作ったのではないか」(大久保氏)
現在、燃料気化爆弾を装備しているのは米軍だけ。ベトナム戦争時にはジャングルを焼き払ってヘリの発着場を作るのに使われたため、「デイジーカッター=ヒナギク刈り」というメルヘンチックな名前が付けられたが、その殺傷能力に非人道的だとして当時から国際的に禁止するべきだという声があがっていた。
湾岸戦争でも11発使われ、その巨大なきのこ雲は、イラク兵をパニックに陥れ、多国籍軍の勝利に大いに貢献したとされる。
いまだにカンダハル周辺で粘るタリバンへの使用について、大久保氏は「衝撃波や爆炎を見て、しぶといタリバンの戦意を喪失させ、士気を低下させるのが狙いだろう」と話す。
さらに、ペース米統合参謀本部副議長が「この爆弾の目的は人を殺すことだ」としているように、「タリバン残党を殲滅するという意志も持って投下しているのではないか」(大久保氏)という。