投稿者 らくだ 日時 2001 年 12 月 07 日 10:07:15:
(回答先: ブッシュ政権はアフガニスタンでの戦争に敗北した 投稿者 あっしら 日時 2001 年 12 月 07 日 04:28:35)
オマル師の戦略は非常に素晴らしい。アフガン国内は新政権で一つになったかのように思われているが、実質は複数の政権が乱立しているような状態である。同じパシュトーン人勢力に建前上の降伏をする事は、この先のパシュトーンの権力に元タリバンの人材や兵士が貢献する事になるであろう。しかもはっきり言えば降伏した相手よりもオマル師の方が実質的な力はある可能性が高いという事である。タリバンは宗教的勢力であり、最後まで戦おうとしていた数万人に上るタリバン兵の多くにとってはオマル師は大きなカリスマ性を持ってる存在である。
また、アメリカ自体が言っていたが反タリバン勢力だけではタリバンは倒せない可能性が高いという事だが、それはすなわちそれだけの力をタリバンが持っていたという証でもある。そのオマル師を仰ぐ数万人に上る兵力は健在であり、またオマル師も生き残ると言う事はアメリカやパシュトーン人以外の反タリバン勢力にとって大きな脅威になるであろう事は予想できる。
しかもやっかいな事にこの決定を決めたのが、次期政権の首相になるであろう人物という事である。一国の首相が決定した事に反してアメリカが無視して攻撃しようものなら、それは大きな内政干渉である。否、実質的に攻める口実が無い状態での攻撃は侵略戦争であり、それを国際社会は許容できないという事であると思う。
アメリカは実質的には負けたのである。利益の大半もロシアに取られ、アフガンに親米寄りの好都合な政権も作れなかったのである。
今後はいかに内戦をうまく被害のでない程度で終わらせてくれる事をせつに祈る。アフガンの人々にも平和な生活を。