投稿者 dembo 日時 2001 年 11 月 28 日 07:43:17:
(回答先: チョムスキー:インタビュー 投稿者 dembo 日時 2001 年 11 月 28 日 07:25:11)
すんまへん コピペに失敗したところがありました(^^;)
コピペし直し版です↓
チョムスキーインタビュー
http://www.rediff.com/news/2001/nov/24inter.htm
Rediffインタビュー / ノーム・チョムスキー教授
ここ二週間、世界で最も明敏な思想家の一人で、声を大にしてアメリカの外交政策を批判しているノーム・チョムスキー教授がインド全土にわたる聴衆をとりこにした。
チョムスキーはマサチューセッツ工科大学の言語学教授であるが、彼の反米演説はとりわけ西ベンガルやケララ<訳注:インド南部の州>において喝采を博した。マルクス主義政治家や大学講師、学生が彼の講演を聴き、今日世界を支配している問題―アフガニスタンにおける戦争、テロリズム、グローバリゼーション、文明の衝突―について議論するべく、群れをなして集まった。
ケララのマハラジャ大学のスタッフや教職員と面と向かって対話する直前に、チョムスキー教授は独占インタビューでGeorge Iypeに語った。以下はその抜粋である。
【問】 9月11日は歴史を変えたのでしょうか?
【答】 9月11日は歴史を変えました。なぜなら、銃がアメリカに対して向けられたからです。確かに、9月11日の米同時多発テロは恐るべき残虐行為でした。しかし、この事件は珍しいものではありませんでした。世界の大半は、数年来、はるかにひどい残虐行為を被ってきたのです。アメリカは現在、アフガニスタンを破壊しています。ブッシュ政権が(ビンラディンがテロに関与したという)証拠を提示しない限りはオサマ・ビンラディンの引き渡しを拒否する、とタリバンが主張したからです。アメリカはいかなる証拠をも提示することを拒否しました。
アメリカとヨーロッパは他者を攻撃し破壊するものだと思われていますが、自身が攻撃されるものだとは思われていません。銃が自分たちの方向へ向けられたのは、アメリカ史上初めてのことなのです。と言うより実際、ヨーロッパ史上初めてのことなのです。これは、歴史における劇的な変化なのです。これまでヨーロッパとアメリカは、容赦なく残酷な方法で、すなわち、世界中の人々を大量虐殺することによって世界を迎え撃ってきました。これまでヨーロッパとアメリカは、外部で起こっているあらゆる攻撃や報復に対して無反応でした。そう考えれば、9月11日の衝撃を理解することができるでしょう。
【問】 オサマ・ビンラディンが9月11日の悲劇に関与したという証拠が提示されない限りは、アメリカはアフガニスタンを攻撃すべきではない、とおっしゃっているのですね?
【答】 アメリカのアフガニスタンにおける戦争には正当な理由がありません。なぜなら、この戦争はアメリカの利益になるよう遂行されているからです。アメリカは、ある特定の人物や国家が9月11日のテロの背景にいることを証明するための信憑性のある証拠を世界に提示しようとは考えていませんでした。
【問】 アフガニスタン空爆の前にブッシュ政権はどのような手段に着手するべきだったとあなたはお考えですか?
【答】 オサマ・ビンラディンというたった一人の人物を捕まえるという名目で、アフガニスタンの何千人もの罪なき人々を殺す権利はアメリカにはありません。それよりも、9月11日のテロの背景を熟慮すべきでした。アメリカは証拠を提示し、タリバン側の交渉の申し出を受け入れ、ビンラディンに面会を求めるべきでした。
しかしアメリカは、人に教え諭していることを自らが実践してきましたか?いや、実践してきませんでした。アメリカには、亡命中の準正規軍のハイチの指導者Emmanuel Constantがいます。Constantはハイチで5000人以上の人々を殺害しようと計画し、有罪宣告を受けました。しかしアメリカは、事件が複雑だったため、彼を引き渡そうとはしませんでした。これはアメリカのメディアでは報じられませんでした。アメリカが現在、アフガニスタンでテロを行っているのだと私は思っています。というのも、この戦争は何千人もの罪なき人々を殺しているからです。
【問】 アメリカが行っているテロリズムとはどういう意味ですか?
【答】 アメリカは、より小さな国家に対して国際テロリズムを行っている豊かで強力な国家の先頭に立っています。アメリカは、ニカラグアでのテロを永続化させたとして国際司法裁判所から非難されてきた世界でたった一つの国です。一体誰が、世界のイスラムテロ組織を育成したのでしょうか?世界中のテロ組織を援助し煽動してきたのは、中央情報局(CIA)なのです。これらはすべて、アメリカの外交的・戦略的・経済的利益のためだったのです。よって、オサマ・ビンラディンはアメリカが創り上げたものなのです。この人物が原因で、アメリカはアフガニスタンのような貧しい国家を空爆しているのですが。
アメリカは、今回の戦争において孤立しているわけではありません。アメリカのアフガニスタンにおける戦争の大義を強力に支援する国家がたくさんあります。彼らは、自らの戦略的利益のために支援しているのであって、テロリズム撲滅や世界をより良くするために支持しているのではありません。インドとパキスタンはアメリカを説得しようとしてきましたが、それはすべてカシミール問題のためです。イギリスはあらゆる犯罪においてアメリカを支援しています。ロシアはしきりにアメリカの軍事行動を支援しようとしています。というのも、チェチェン問題でブッシュ政権が暗黙の了解をしてくれることを望んでいるからです。中国は、中国西部のムスリム大虐殺を正当化することを望んでいます。よって、これらの強力な国家はすべて同類なのです。いずれの国家もテロリスト集団を作り、訓練しているのです。アメリカは、どうして今回の戦争をテロリズムとの世界的な闘いと呼べるでしょうか?
【問】 世界がテロリズムと闘うべきだということに対し、あなたはどのようにお考えですか?国連はイニシアティヴをとるべきでしょうか?
【答】 最大の問題は、アメリカという世界で最も強力な国家がマフィアの親分のように振舞っていることです。アメリカは国連を完全に無視してきました。というのも、アメリカは世界中でテロリスト的な政策を行うことを望んでいるからです。アメリカが自らの政策を改めない限り、そしてそれを改めるまで、テロリズムとの世界的な闘いはあり得ません。冷戦中、二つの超大国―アメリカとロシア―は自らの領土内で残虐行為を行いました。ロシアの場合は、アフガニスタンとチェチェンに対してです。アメリカの場合は、世界中に対してです。どちらの側も、これらの行為はもう一つの超大国に対してなされたものだと主張しました。
【問】 しかし、冷戦政策は変化してきました。
【答】 決してそんなことはありません。冷戦は終結したかもしれません。しかし、現在も政策は変わっていないのです。口実だけが変わったのです。アメリカが軍事予算を年々増やしてきたのには、別の理由があります。それはもはやロシアに対する防衛ではありません。第三世界の技術高度化に対する防衛です。アメリカは、グローバリゼーションによって一握りの豊かな国家と貧しい国家に世界が分極化されたと信じています。貧しい国家を支配し続けるために、新たなシステムを必要としているのです。
【問】 あなたは、9月11日のテロが文明の衝突の結果であると考えておられますか?
【答】 目下行われている対テロ戦争が文明の衝突の結果であるというのは、アメリカのプロパガンダです。これは全くの戯言です。この戦争において文明の衝突は起こっていません。ソ連崩壊後、アメリカは(以前と)同様の政策を遂行するための新たな口実をでっち上げる必要がありました。その口実、すなわち、学者たちが発明した専門用語の一つが、文明の衝突なのです。かつてアメリカは共産主義と闘っていました。現在はイスラム文明やその他あらゆるものと闘っているのです。
いいですか、これはすべて戯言です。世界の連携に目を向けるならば、単に文明の衝突が起こっているのではないということがわかるでしょう。世界で最も原理主義的なイスラム国家はサウジアラビアです。しかし、サウジアラビアはアメリカの寵愛国です。世界で最も大きなムスリム国家はインドネシアです。この国はアメリカが最も優遇している国の一つです。1965年のインドネシア軍司令官<訳注:スハルトのこと>は大規模な虐殺―100万以上の人々(大半は農民)の殺害―を実行し、この国の唯一の大衆基盤政党であった共産党を弾圧、非合法化しました。それ以来、インドネシアはアメリカの支持を得ています。ゆえにアメリカは自らの戦略的利益のために政策を遂行してきたのです。
多くの人々は近頃、目下行われている戦争を互いに異なった言葉で表現しています。文明の衝突だと呼ぶ人もいれば、グローバリゼーションの結果だと言う人もいます。
【問】 あなたは、グローバリゼーションの衝撃をどのように説明されますか?
【答】 グローバリゼーションという言葉は、現代のイデオロギーにおいてひどく誤用されています。グローバリゼーションは単に、国際的な統合を意味しています。これは素晴らしいことです。よって皆、グローバリゼーションを支持しています。しかし、この言葉は現在、特別な方法で用いられています。ある特定の形態の国際的な経済統合に言及するために用いられているのです。この国際的な経済統合は、過去25年間、豊かで強力な国家の一部のセクター、すなわちこれらの国家が管理している国際的な財政セクターや企業セクターによって課されてきたものなのです。
西側の国家や制度の持つ権力が甚大だったため、グローバリゼーションという概念は一般的な用語となりました。ゆえに、我々がグローバリゼーションについて語るとき、集結された権力と関連して構築されたものが持つ特別な教義に言及していることを確認するよう注意すべきなのです。グローバリゼーションが教育や雇用に与えた影響は有害なものなのです。
【問】 現在のような形態のグローバリゼーションは、多くの国家経済に害を及ぼしてきたのですか?
【答】 そうです。グローバリゼーションは、耳にするようなプロパガンダとは逆に、多くの貧しい国の経済に害を及ぼしていますし、豊かな国家の経済にまでも害を及ぼしています。世界経済やその成長率は、過去25年間に著しく低下しました。例えば、アメリカにおいて、経済や生産性の成長率は相当落ちています。収入や労働時間などの観点からすると、国民の大半にとってきわめて貧しい時代になっています。様々なセクターにおいて富と権力の集中が大規模に行われました。しかし全般的な経済成長は、グローバリゼーションの下で相当ペースが落ちてきているのです。
驚くべきことに、通商でさえ、過去25年間に徐々にペースを落としてきました。概して、グローバリゼーションが進展しつつある世界の大半にとって、きわめて悲壮な時代なのです。グローバリゼーションの持つきわめて重大な側面の一つは、民主主義的な機能を崩すこと、様々な決定を一般国民の民主主義的なアリーナから移動させること、非公式の権力へと移動させること、富と権力を不可解なほどに集中させることです。グローバリゼーションは教育から財源を奪い、一般国民から財源を奪い、不可解な非公式の権力へと姿を変えてきたのです。
20年前の状況と比べると、アメリカでは現在、国民の70%の平均所得が下がっています。その一方で、労働時間は劇的に延びています。アメリカの平均的な家庭は、10年前よりも年に約一ヶ月半多く働いています。しかし生活保障はきわめて制限されています。人々は職につけるかどうか知りません。これは、ヨーロッパや他の先進国でも同様なのです。