投稿者 ザワヒリ博士 日時 2001 年 11 月 28 日 03:30:50:
<ビンラディン氏>死を覚悟 後継を指名 逃走生活判明
【イスラマバード春日孝之】アフガニスタンで米軍に追跡されているウサマ・ビンラディン氏の警護体制や逃走方法など同氏を取り巻く最近の状況が27日、分かった。パキスタン軍情報機関(ISI)筋が毎日新聞に明らかにした。米同時多発テロの首謀者とされるビンラディン氏は、米軍の包囲網が狭められる中、すでに死を覚悟し、後継を指名したという。
同筋によると、ビンラディン氏は4人の妻や多くの子供と逃走生活を続けている。同時テロ後に生まれた娘も一緒だ。十数人のアラブ人ボディーガードが、米特殊部隊使用の物と同レベルの最新のレーザーガンと自動小銃を携行、夜間は暗視ゴーグルを装着し、警護する。
ボディーガードの外周にはアラブ人だけで構成する「アルカイダ」指導部が取り巻く。その周囲を、さらにパキスタン人やアフガン人、チェチェン人などのアルカイダ支援組織のメンバーが固めている。一団は総勢200〜300人だ。
ビンラディン氏の指令は、アルカイダ指導部が同氏と連絡を取りながら行う。タリバンやISIなど外部組織との接触は、すべてアルカイダ支援組織が取り次いでおり、外部からアルカイダ指導部と直接接触することは不可能だ。
逃走範囲は、タリバンが今も支配下に置くカンダハル、ヘルマンド、ザブル、ウルズガンの4州内で、昼夜を問わず移動し、同じ場所に連泊することはない。宿泊は地中貫通爆弾(バンカーバスター)を回避できる山岳部や地中に造った洞くつの中だけだ。
移動は、一団が数キロもの範囲に拡散しながら行う。ビンラディン氏は通常、四輪駆動車で動くが、変装して一定区間を徒歩で移動することも多く、米軍の偵察や通報者の存在を極度に警戒している。
■自爆装置携え これまでにパキスタン側の複数のパシュトゥン人部族から「避難場所を提供する」との申し出が寄せられた。だが、米国は所在特定につながる情報に2500万ドル(約30億円)の懸賞金を提示しており、ワナを恐れて一度も応じていない。「タリバン支配地域を出ることは死を意味する」と同氏は考えているという。
今月半ば、米軍の空爆でアルカイダ・ナンバー2のアテフ氏が死亡し、ビンラディン氏の一団も別に移動中、空爆にさらされた。アルカイダ支援組織のパキスタン人数人が死亡したが、同氏は無傷だった。
タリバン部隊は現在、ビンラディン氏の警護から離れている。タリバンの最高指導者オマル師と直接連絡を取り合っているかは不明だ。オマル師は同氏に「あなたが殺されたら、我々の士気は一気に下がる。米軍と遭遇しても交戦せず、逃走だけを考えてほしい」と要請しているという。
だが、ビンラディン氏は今や外部からの補給路を事実上断たれ、死を覚悟している。アフガン国内で別行動中の側近を後継者に指名しており、護衛や息子に「(アルカイダ指導部の防衛網を)米軍が突破したら、私を射殺しろ」と命令。ボディーガードの一人は自爆装置入りブリーフケースを携えている。(毎日新聞)