投稿者 あっしら 日時 2001 年 12 月 03 日 03:19:58:
CNNニュースやBBCニュースは、イスラエルでのテロ事件とアフガニスタン&ボン情勢を交互に最新情報を報じている。
それを見聞きして自分なりにまとめると、
● アフガニスタン情勢
カンダハル近郊の空港に陣地を築いている海兵隊を主力とした米軍は、兵員の増強と攻撃ヘリの増強で攻撃力の増大を計っている。海兵隊そのものは、カンダハルと距離を置いた基地に留まったままだが、作戦開始命令に即応できる態勢となっている。
カンダハル近郊の基地に関する報道は、代表のテレビクルーのみで、撮影及び放送内容も軍によって規制されている。
カンダハル攻略のために、アフガニスタン反タリバン勢力が、北・南東・南西からカンダハルに向けてじりじりと前進を続けているとのこと。
カンダハル攻防戦で両陣営が接近戦を展開するかたちとなれば、空爆が使いずらくなり、反タリバン勢力だけの地上部隊では成功が難しいだろう。
アフガニスタン反タリバン勢力を前面に押し立てながら、海兵隊も地上でのタリバン攻撃作戦に参加することになるようだ。
基本的にいつでもカンダハル総攻撃を仕掛けられる態勢にあることを強調している。
● イスラエル情勢
少なくとも28名が死亡し17名ほどが重態になっているイスラエルは、テロ犯をパレスチナ過激派(組織)と断定し、テロ組織を支えているものとしてアラファト自治政府への敵意をむき出しにしている。
イスラエル当局者は、あれだけの警備態勢を敷いていながらテロを実行されてしまったという治安面での失態を“反省”するつもりはないようだ。
イスラエルの基本的な構えは、
★ パレスチナが内戦を起こしてでもテロリスト組織を壊滅する
さもなくば
★ 中東での戦争勃発
のようである。
まもなく、ブッシュ大統領とシャロン首相の会談が始まり、会談が終わり次第シャロン首相はイスラエルに帰国し、今後の方針を協議するものとみられる。
● カンダハル総攻撃とパレスチナ総攻撃がシンクロする事態は何を意味するのか
シャロン首相が帰国し、パレスチナ自治政府への“最後通牒”(推測は上記の内容)をまとめ、パレスチナ自治政府の対応を期限付き(ごく短期間)で待つことになる。
イスラエルは、パレスチナ自治政府の対応如何で、いつでもパレスチナを攻撃できる態勢を今すでにつくりつつある。
アラファト議長は、パレスチナ人同士の内戦か、イスラエルの攻撃にさらされるのかの選択を迫られることになるだろう。
アラファト議長が内戦を選択することはできないだろう。じゃあ....
今夜(日本時間)行われるブッシュ政権とシャロン政権の協議は、この軍事作戦にまで突っ込んだ内容になると思われる。公表はされないが...
ともに悪逆非道な虐殺戦争が、アフガニスタンとパレスチナでシンクロしながら展開される状況となったならば、今夜それが決定されていたということになるだろう。
そして、アフガンとパレスチナのシンクロは、これまでの米英主力の虐殺戦争にイスラエルが参戦を果たしたことを意味する。
カンダハル総攻撃とパレスチナ総攻撃が同日に開始されることにでもなれば、それを世界に向け高らかに宣言したと言っていいだろう。
世界をナメきっている連中である。そのような見え見えのフザケタ“軍事ショー”を世界に披露する可能性だってある。
ともに、“対テロ”を看板とした戦争であることから、アフガン以降の様々な作戦が、アメリカ・イギリス・イスラエルの連合によって遂行されることになるだろう。この連合は、まさにパレスチナの近代史そのものを象徴する連合である。
こうした見方に立つと、米英両政権の対テロ戦争の拡大宣言と同様、イスラエルも、パレスチナ攻撃を端緒とした中東全面戦争を構想している可能性さえある。
パレスチナの次は、米英と共同のイラク攻撃として現れる可能性が高い。
このような動きは、イスラエル政権が“大イスラエル”建設を米英とともに進めていくことに他ならない。
イスラエルは、豊富な石油資源を保有する「大イスラエル共和国」を目指しているのだろうか。そして、そんなことが実現してしまう世界になってしまうのだろうか。
今週は、第二次世界大戦終結後の世界で、世界中がもっとも緊迫しなければならない一週間になるはずだ。
今の世界に、イスラエルのパレスチナ全面攻撃を止める理性が残っているのだろうか?
今の世界に、対テロではないアメリカやイスラエルの本音の意図=戦略が見えるのだろうか?
イスラエルの対パレスチナ攻撃を、テロへの懲罰もしくは報復のためのものと見誤ってしまえば、その先にある中東全面戦争を招来することになるだろう。
今週の世界が、イスラエルのテロ報復攻撃やむなしのムードで流れていけば、とり返しがつかない事態を招いてしまうことになる。
このようなアップ内容が杞憂で終わることを祈るのみ....