投稿者 倉田佳典 日時 2001 年 11 月 30 日 20:24:44:
11/30 15:56 メディアへの信頼高まる テロで米国民、規制支持も 外信75
共同
テロとの戦いでさまざまな変化が起きている米国社会。テロの脅
威を肌で感じる市民は最新情報を求め、メディアに対する信頼感が
上昇、テレビのワイドショーで硬派のニュースが復権するなど、メ
ディアの世界も変ぼうしている。一方で市民の間では、安全保障の
ためには政府による報道規制もやむを得ないという意見が多数派と
なった。
米国の世論調査機関ピュー・リサーチ・センターが米中枢同時テ
ロの起きた九月十一日を境にメディア環境の変化を調べたところ、
テロ前(九月上旬)とテロ後(十一月中旬)では、顕著な変化が読
み取れた。
「米国のメディアは正確な事実を報道している」と考える人は3
5%から46%に増加、メディアが「米国のために頑張っている」
と評価する人は43%から69%に急上昇した。「メディアは民主
主義を守っている」とみる人は46%から60%に、「メディアは
道義的な仕事をしている」とする人も40%から53%に上がった
。
同センターのアンドルー・コフート所長は「国民の間でメディア
のイメージがこれほど良くなったのは、近来ない」と指摘。これは
「市民がプレスをプロとみているだけでなく、愛国的で思いやりが
あると評価していることを示す」とし、愛国心のあふれる米国社会
の要請にメディアがこたえている状況を示唆した。
別の調査によると、三大ネットワークの夜のニュースは、一九九
七年には世界情勢などの硬派ものが40%、芸能、生活などの軟派
ものが33%だったのに比べ、現在は硬派80%、軟派1%へと激
変。早朝のワイドショーのニュースでも、テロ前は硬派がわずか7
%、軟派が75%だったのに、今では硬派60%、軟派24%へと
様変わりした。
同センターによると、一方で「国家安全保障のための報道規制を
強く支持する」との回答は53%で、反対の39%を上回った。8
2%は「国防総省はできる限りの情報を開示している」と述べ、8
0%は「政府はアフガニスタン戦争の正確な状況を市民に伝えてい
ると信じる」と答えた。
米国市民はメディアも政府も信頼するという姿勢であり、「戦時
」という特殊な状況の中でメディアと政府の間に対立や緊張は求め
ていない。
米紙ニューヨーク・タイムズのジル・エイブラムソン・ワシント
ン支局長は「(クリントン時代には)プレスは女性疑惑報道に取り
つかれ、市民感情と遊離していたが、今、市民は情報を生活に欠か
せないものとして受け取っている」と評価。同時に、国防総省が戦
争取材でのメディアのアクセスを制限していると指摘し「報道規制
への国民の支持が一層の規制強化の口実に使われていることを危ぐ
する」と語った。(ワシントン共同=大島寛)
(了) 011130 1556
[2001-11-30-15:56]