投稿者 FP親衛隊国家保安本部 日時 2001 年 10 月 30 日 18:49:14:
【イスラマバード澤田克己】
米軍によるアフガニスタン空爆開始後の10月中旬、パキスタン政府がアフガン・タリバン政権に最高指導者のオマル師退陣と総選挙による新政権樹立を柱にした和平案を提示していたことが30日、分かった。パキスタン政府筋が毎日新聞に明らかにした。タリバン側は「熟慮する」と回答、最終的な結論はパキスタン側に伝えてきていないが、受け入れは難しいとの見方が強い。
同筋によると、和平案はイスラマバードを訪問したタリバン政権のハッカニ辺境相に伝えられた。辺境相はオマル師に近い実力者。パキスタン外務省は「辺境相と新政権樹立問題を話し合った」とだけ公表していた。
和平案はオマル師が退陣したうえで、(1)暫定的な大統領と首相を任命(2)反タリバン連合(北部同盟)との停戦を表明(3)北部同盟に首都カブール入りを容認(4)全勢力参加の総選挙実施の宣言――という内容。オマル師が国家運営に直接携わらない精神的指導者になることを求めている。
パキスタンはタリバンが和平案を受け入れるなら、空爆の停止など米国説得に全力を挙げると約束。和平案にはウサマ・ビンラディン氏の引き渡しは含まれていない。
和平案は親パキスタンであるタリバンの完全崩壊を防ぎ、パキスタンの国益を守ることを狙ったものだ。タリバンの基盤パシュトゥン人がアフガンの人口の過半数を占めており、選挙をすればタリバンが勝つという計算もある。
[毎日新聞10月30日] ( 2001-10-30-15:01 )