投稿者 あっしら 日時 2001 年 11 月 20 日 16:17:23:
サウジアラビア情報機関「GID」のトルキ・アルファイサル前長官が18日、毎日新聞との会見で、米同時多発テロの首謀者とされるウサマ・ビンラディン氏の身柄確保を試みていたと明かしたことは、同氏の存在が今後もサウジ政権に影響を及ぼしかねないほど重大であることを意味する。米軍がラマダン(断食月)中もアフガニスタン攻撃を続行していることを受け、ビンラディン氏に共鳴するサウジ国内のイスラム原理主義勢力は急速に反米感情を強めている。
同氏は旧ソ連軍進攻に伴うアフガン戦争で、義勇兵の中でも指導的な立場にいた。王子は「彼は問題意識を持った義勇兵との交流を通じ、イスラム教徒は正しい世界に住んでいないと感じるようになった」と指摘する。
その後、同氏は湾岸戦争(91年)を境に政府への敵対を強めた。最大の原因はサウジ国内に駐留を続ける「異教徒」・米軍の存在だ。ビンラディン氏は、イスラムの2大聖地メッカとメディナを抱えるサウジが駐留を許している実態について「イスラムへの冒涜(ぼうとく)」だとし、(大手建設財閥である)一族のツテで政府に「自らが軍隊を準備する」とまで提案したという。
ビンラディン氏の真の目標は、サウジだとの指摘もある。厳格なイスラム教ワッハーブ派を信仰する国民やイスラム強硬派勢力と、「テロとの戦い」で協力を求める米国との間で微妙な舵取りを迫られるサウジ政府にとって、ビンラディン氏は極めてやっかいな存在となっている。 【リヤド笠原敏彦】
[毎日新聞11月20日]