投稿者 倉田佳典 日時 2001 年 11 月 18 日 18:26:02:
11/17 20:09 軍事境界消え、親族再会 北へのターミナル大混雑 外信103
【カブール17日共同】けたたましいクラクションと、絶え間な
く吹き上がる青い排ガス。「パンジシール行き、あと一人乗れるよ
」。カブール北部の交通ターミナルは、北部同盟のカブール制圧に
より五年ぶりに再開した北への幹線道で故郷に帰る人や車でごった
返している。
タリバン政権は一九九六年にカブールに進攻し、北に退却した北
部同盟と、カブールの北約三十キロ前後を軍事境界としてにらみ合
った。以来、カブールとパンジシール、チャリカルなど北部の町の
交通は分断されてきた。
北部同盟がカブールに入った十三日から一般の通行が自由になり
、乗り合いタクシーやバス便が運行を再開した。夜明け前の朝四時
ごろから日暮れまで、発着の車がひしめき合う。
コメや砂糖を入れた麻袋を持つネイクモハマドさん(31)は、
約八十キロ北の町グルバハルに帰る途中だ。北部同盟が制圧したそ
の日に、カブールに住むおじを五年ぶりに訪ねてきた。「元気そう
で安心した。カブールの方が物価が安いし、二、三日おきに買い物
に来たい」
屋根に布団やじゅうたんを満載したバスから降りてきたカブール
市内の女性(30)は、軍事境界付近にある元の自宅を三年ぶりに
訪ね、家財を取ってきた。「家は戦争で壊れてしまった。でも道が
再開し平和になったのはうれしい」。頭から全身を覆う青いブルカ
姿。顔は見えないが、ゆったりとした身ぶりに安ど感が漂う。
運転手にとっては今が稼ぎ時だ。ライトバンの助手席に二人、後
部席三人、荷台に二人の計七人を押し込み、排ガスをもうもうと上
げて走っていく。アブドルマジドさん(22)は「今まではカブー
ル市内を一日流して売り上げは三十万アフガニ(約千円)。今は一
時間の道のりを二往復して百万アフガニ。稼いだ後は昼寝だ」と笑
った。
(了) 011117 2008
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