投稿者 FP親衛隊国家保安本部 日時 2001 年 11 月 10 日 16:23:25:
イスラム教の聖典「コーラン(クルアーン)」の朗誦(ろうしょう)を収めたCDがいま、日本国内で売れている。聖典の言葉を聖職者たちが音程をつけて朗々と唱えているもので、今年九月以降、それまでの約六倍にも売り上げを伸ばしている。最近の世界情勢が影響しているのか、イスラム文化の一端に触れてみたいといった人が増えているようだ。
(湯浅明)
コーランはイスラム教の聖典として知られるが、元来はアラビア語で「読誦するもの」といった意味。コーランの朗誦は一般の音楽とは厳格に区別されているが、イスラム圏で尊敬を集める歌手たちの多くは朗誦を出発点としているという。
いま、日本でセールスが伸びているCDは「偉大なるクルアーン イスラムの栄光」(ビクターエンタテインメント)と、「地球の祈り 聖なる言葉〜コーラン朗誦」(キングレコード)−の二作品。
「偉大なるクルアーン−」は、“オスマントルコ栄光の地”イスタンブールに伝わる朗誦を、四人の高僧をパリに招いて録音した。昭和六十三年に発売され、今夏までに約一万枚が売れた。
一方、「聖なる言葉〜コーラン朗誦」は、トルコ人の聖職者で古典歌手であるキャーニ・カラジャ氏の朗誦で、今年三月に発売された。
前者は一カ月に百−二百枚程度と、わずかながらも十年以上の間、コンスタントに売れ続け、後者も発売から約半年、同じような状況だった。ところが、今年九月中旬以降、ともに注文が三−五倍に跳ね上がり、「それまでの半年間の売り上げを、一カ月で達成するペースの月も」(キングレコード)。
同社の担当者は「購入者層の中心は、もともと宗教やイスラム文化に関心を持っていた人たちから、サラリーマンなどに変わり、店頭でCDを手に取る人の中には女性も目立つようになりました」と話す。
十月にCDを買い、初めてコーラン朗誦を聴いた東京都の男性会社員(四一)は「ラマダン(断食月)とかアフガニスタンの国民性が知りたかった。人の声の迫力がすごい。コーランについての解説も付いていて、ヒントになります」という。
学生のころ、コーランを聴いたことのある横浜市の女性会社員(三四)は、「この時期に改めて聴きたくなりました。一種の音楽として聴いていますが、荘厳な響きの中に、強い精神性を感じます」と話している。