投稿者 FP親衛隊国家保安本部 日時 2001 年 11 月 10 日 13:49:24:
【ワシントン9日=館林牧子】
米連邦捜査局(FBI)は9日、一連の炭疽(たんそ)菌事件の犯人は、ウサマ・ビンラーディン率いる国際テロ組織「アル・カーイダ」との関連は薄く、同時テロをきっかけに犯行を決意した、別の単独犯による犯行との見方を示した。FBIが具体的な犯人像について言及したのは、これが初めて。
FBIの犯罪行動学などの専門家が同日、記者を集めて情報公開をしたもの。FBIによると、犯行の手口や送り付けた手紙の筆跡、文面などの分析から、一連の犯行は同一人物によるものと断定。
過去の犯罪統計の分析から犯人は、20歳以上の男性の可能性が高く、炭疽菌を培養、精製できる研究所などに出入りすることができ、3通の手紙が投かんされたニュージャージー州トレントン近郊に土地カンがあるとした。
また、犯人の性格として、表面的には他人との対立を避けるが、復讐心を長く持ち続け、間接的な手段を用いて、はらす傾向があると分析。過去にも郵便を使った嫌がらせをしている可能性があるとした。
手紙には、綴りの間違いや「アラーは偉大だ」などの文章があることから、イスラム教に関連する外国人による犯行との見方も出ていた。だが、FBIでは手紙に書かれた単語が30語と少なく、意図的に文章を作った可能性があり、現段階では米国人かどうかや、イスラム教との関連については判断できないとした。
さらに、犯人は手紙の送付先を念入りに選んだ形跡があるとして、送りつけられた米NBC、ニューヨーク・ポスト紙、米民主党のトム・ダシュル上院院内総務を結ぶ関連性について調べている。無差別テロとの見方は退けた。
一連の炭疽菌事件で、最初の発症者が確認されてから1か月余りが経過したが、犯人を特定する具体的な手がかりはまだ見つかっていない。FBIは、捜査機密に関わる犯人像をあえて公開することで、より多くの情報提供を得ようと、異例の措置に踏み切った。
(11月10日13:08)