投稿者 倉田佳典 日時 2001 年 11 月 08 日 18:45:34:
11/08 02:01 炭疽菌など拡散の恐れ アラル海の生物兵器の島 水 社会259
共同
カザフスタンとウズベキスタンにまたがるアラル海に浮かび、旧
ソ連の生物兵器実験場だったボズロジェーニエ島が、同海の水位の
低下で大陸と陸続きとなり、兵器用に開発された炭疽(たんそ)菌
などの細菌が、島と大陸を行き来する動物などを通じて、周辺に拡
散する危険が生じていることが七日分かった。
京都大学の石田紀郎教授らの研究グループが十二日から大津市で
開かれる「第九回世界湖沼会議」で報告する。
旧ソ連は一九九二年四月まで同島で炭疽菌やペスト菌、天然痘ウ
イルスなどを使った屋外実験を繰り返していた。今年十月、米国と
ウズベキスタンとの間で菌の処理に関する協定を結んだが、石田教
授は「除去作業が開始されたことは確認していないし、陸続きとな
って動物により(菌が)持ち出される可能性がないとはいえない」
と話しており、沿岸住民の健康への影響が危ぐされるとしている。
米国防総省の調査で昨年、軍事用に毒性を強めた炭疽菌数十トン
が胞子の形で島の土中に遺棄されていることが判明している。
島の縁が大陸と陸続きになったのは、八月に財団法人リモート・
センシング技術センター(東京)などが人工衛星で撮影した写真で
判明した。拡大を続けていた島の南端部分が、大陸に到達した様子
が鮮明に映し出された。
ボズロジェーニエ島は二○一○年ごろまでに大陸と陸続きになる
とみられていたが、かんがいによるアラル海の水位低下が予想以上
の早さで進行していることを示している。水位低下の前は同島の面
積は約二百平方キロ程度だったが、現在は約十倍に広がっている。
旧ソ連の崩壊過程で同島は放置され、現在は無人島となっている
が、アラル海周辺では農業や漁業などを営む住民が多数居住してい
る。
石田教授は「(陸続きになったのが)予想以上に早く、驚いてい
る。沿岸住民の健康被害の実態について調査を続けているが、限界
がある。国家レベルで問題の把握と解決に当たるべきだ」と警鐘を
鳴らしている。
(了) 011108 0200
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11/08 02:01 アラル海とは 社会260
カザフスタンとウズベキスタン国境に広がる流出河川のない閉鎖
湖。1960年まで湖として世界第4位の面積(約6万6千平方キ
ロ)を誇っていたが、その後周辺へのかんがいなどが原因で水量が
減り、急速に縮小した。現在の面積は最大時の約3分の1。
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