投稿者 倉田佳典 日時 2001 年 11 月 08 日 18:38:19:
11/08 16:38 独立求めるアルバニア系 コソボ州議会選まで１週間 外信62
共同
一九九九年の北大西洋条約機構（ＮＡＴＯ）軍の空爆以降、国連
管理下にあるユーゴスラビア・コソボ自治州で自治政府樹立への第
一歩となる十七日の州議会選挙（百二十議席）まで約一週間と迫っ
た。
少数派セルビア人住民も参加し、コソボ紛争後では初めて全民族
参加の選挙が実現するが、多数派アルバニア系住民の独立への要求
は依然強く、選挙の結果次第では一気に独立の流れが加速、連邦解
体の引き金となる可能性も出てきた。
「近い将来独立を必ず実現する」。州都プリシュティナの南西五
十キロのスハリカで七日開かれた穏健独立派アルバニア系政党「コ
ソボ民主同盟」の集会で、ルゴバ党首は声を強めた。
ＮＡＴＯ主体の国際治安部隊（ＫＦＯＲ）の兵士が会場のスタジ
アム周辺を警備する中、約三千人の参加者は赤地のアルバニア国旗
を振り、ルゴバ氏の名前を連呼して熱狂。車で一時間かけて来たと
いう技師ムハレミ氏（２７）は「ルゴバこそコソボの大統領にふさ
わしい人物だ。独立は百パーセント達成できる」と言う。旧ユーゴ
時代から独立を悲願とするアルバニア系住民にとっては今回の選挙
が「独立に向けた大きな前進」との受け止め方が大半だ。
選挙では高い人気の「民主同盟」が議会第一党となるのは確実な
情勢で、焦点は第二党の座。急進独立派の「コソボ民主党」と約一
年半前に設立され急速に支持を集める「コソボ未来連合」の争いと
いわれてきたが、セルビア人の選挙参加により、セルビア人政党「
リターン（帰還）」が急浮上。少数民族への優遇政策で選挙枠外の
十議席を割り当てられる上、セルビア人勢力の諸政党が結集した連
合体であるため、票の集中が見込まれている。
選挙をめぐるコシュトニツァ・ユーゴ連邦大統領の思惑について
、アルバニア系ジャーナリストは「セルビア人が議会で一定の発言
力を得て、コソボの一方的な独立を阻止したいとの狙いがある」と
分析する。
国連コソボ暫定統治機構（ＵＮＭＩＫ）によると、新たな自治州
議会は十二月初めまでに招集され、大統領を選出、首相を任命して
自治政府が発足する。
しかし、その後の統治形態には不確定要素が多く、選挙でアルバ
ニア系政党が圧倒的多数を占め、一方的に独立を宣言した場合、「
阻止しようがない」（ＵＮＭＩＫ高官）。ユーゴ政権が武力行使で
独立を抑え込むことは考えにくく、モンテネグロ共和国の独立問題
と併せ、連邦が一気に解体へと向かう可能性もある。（プリシュテ
ィナ共同＝小林義久）
（了） ０１１１０８ １６３８
[2001-11-08-16:38]
題名には必ず「阿修羅さんへ」と記述してください。