投稿者 dembo 日時 2001 年 11 月 07 日 21:19:37:
燃料気化爆弾「デイジーカッター」
劣化ウラン研究会 http://www.jca.apc.org/DUCJ/index-j.html
ついに使ったかという思いです。ちょっと呆然としています。
湾岸戦争の後、こんな兵器は二度と使わせたくないと思って、劣化ウラン研究会を
有志で作りました。劣化ウラン弾を使わせないのと、放射性物質をばらまいた責任を
米国や英国にとらせるために。しかし米軍はボスニア、コソボで使いました。
クラスター爆弾も使いました。
気化爆弾について、報道では実態が全く分かりません。それはそうだ。気化爆弾の
爆心で経験した人などいないのだから。
見た人もほとんどいないでしょう。
湾岸戦争で使われたとき、かなり離れた場所にいた英国軍部隊は、戦術核兵器が使
われたと恐慌状態になったそうです。つまり相当離れた場所で体感してもそのように
思う兵器です。
気化爆弾の燃焼剤は、爆弾により異なりますが、報道によれば使われたものが
BLU82/Bだとされていますので、最悪です。
この爆弾の燃焼剤は酸化エチレンとジメチルヒドラジンが主体です。
酸化エチレンについてはこちらを参照のこと
http://www.jpca.or.jp/61msds/j7cb05.htm
ジメチルヒドラジンについてはこちらを参照のこと
http://www.nihs.go.jp/ICSC/icssj-c/icss0147c.html
どちらも毒劇物であり、きわめて危険な化学物質であり、発ガン性物質ないしは発
ガン性の疑われる物質です。環境への影響も大きい化学物質で、大気中への放出はい
かなる場合でも禁止されています。
全量燃焼するわけはないので、使用の後も燃え残りが生命や環境に重大な影響を与
えます。環境破壊兵器でもあるのです。
爆発時には直径100メートル以上のクレーターが出来るほどの破壊力を示し、爆
心では1平方センチあたり70キログラム以上の圧力を発生させます。被害半径は4
マイル(約6.2キロ)にも及びます。放射能や放射線の影響を除けば、ヒロシマナ
ガサキの被害に匹敵します。
恐ろしいのはそれだけではありません。
巨大な火球が出来、燃焼により酸素を奪います。強力な上昇気流が発生し、周囲の
空気を吸い出します。つまり爆心は真空状態となります。そのため、爆心の周囲に地
下壕や洞窟などをつくって避難をしていたら、火災から逃れたとしても窒息します。
内臓破裂で死亡することもあると言われています。
爆心よりかなり離れた場所でも、窒息する恐れがあります。
爆弾としてだけではなく、化学汚染をも引き起こし、さらに戦闘員、非戦闘員の区
別無く無差別に殺戮する兵器です。
米軍が「ピンポイント攻撃をしているから民間に被害が及ぶはずはない」などと
言っていますが、でたらめです。
現実に湾岸戦争で使われた爆弾の内、いわゆる精密誘導兵器はわずかに7.6%に
過ぎなかったのです。
今回も、既にB52戦略爆撃機による無差別絨毯爆撃が行われています。