投稿者 sankei 日時 2001 年 11 月 07 日 10:30:27:
中国、新鋭通信傍受部隊をアフガン国境配備
台湾対岸から移動
米「戦術漏れ」警戒
【ワシントン6日=古森義久】中国人民解放軍がアフガニスタンで
の米軍の軍事行動が続くにつれ、新鋭の通信情報(SIGINT)部隊
を台湾海峡に近い海岸部からアフガンに近い新疆地区に移したことが
五日、米国当局の情報として明らかにされた。他国の軍隊の通信を傍
受するこの通信情報部隊はアフガニスタン領内の交信を捕捉(ほそく)
できるが、米側では中国側には米軍の戦術内容をつかむ意図もありう
るとして警戒している。
ワシントンの消息筋が米国情報当局の得た軍事情報として五日、明
らかにしたところによると、中国の人民解放軍はこれまで台湾海峡に
近い福建省地域の海岸部に配備されていた新鋭のSIGINT部隊を
十月下旬、新疆ウイグル自治区のアフガニスタン国境に近い地域へと
移動させた。
SIGINT部隊は他国の軍隊や政府が流す軍事関連の通信を傍受
して解読する情報収集組織で、今回、移された部隊は台湾の軍事動向
をつかむための通信傍受活動を続けてきたという。
同消息筋によると、このSIGINT部隊の移動に先立って十月中
旬、人民解放軍副総参謀長の熊光楷将軍が緊急に新疆地域の国境地帯
を視察しており、この視察の結果、SIGINT部隊の新配備が決め
られたとみられる。
九月十一日の米国中枢同時テロが起きて以来、中国は米国への情報
収集面での協力などを約していたが、実際にアフガニスタンとの国境
に近い新疆地区には小規模の対テロ特殊部隊を配備しただけだったと
いう。
同消息筋によると、今回のSIGINT部隊の新配備は新疆からア
フガニスタン領内でのビンラーディン一派のテロ組織のアルカーイダ
の動向を信号傍受でより詳細につかむことで米国への情報収集での協
力の約束を果たすという側面や、台湾側の軍事動向の情報収集を一
時、弱めたことで台湾への軍事対決姿勢をも弱めたと受けとられる側
面は米国としても歓迎できる。
その一方、新疆地区のSIGINT部隊はアフガニスタンを中心と
する米軍の各種部隊の戦術的な動きをも捕捉することが可能であり、
この面では米側はむしろ警戒を強めているという。