投稿者 嘘も百回言えば本当になる 日時 2001 年 11 月 05 日 16:43:47:
回答先: 「CNN会長の情報操作」に関する英文情報と関連情報の電網宝庫リンク転送 投稿者 木村愛二 日時 2001 年 11 月 03 日 19:41:51:
宣伝戦 米必死の反撃
米軍主導の対タリバン軍事行動は、開始以来3週間以上が経過するが、空爆が予想
したとおりの効果が上がっていないと米メディアの批判が高まっている。これに対
し、米ブッシュ政権は本格的なメディア対策に乗り出し、巻き返しに懸命だ。
◆広告界の女王起用 国務次官に◆
【ワシントン2日=貞広貴志】ブッシュ大統領が新たに情報外交の責任者に登用し
たシャルロッテ・ビアーズ国務次官の存在が注目を集めている。米大手広告代理店の
トップを歴任し、広告業界が集中するニューヨークの通りにちなんで「マディソン通
りの女王」と呼ばれたビアーズ次官は、情報戦争で米側の劣勢をはね返す切り札と言
える。
◆「アル・ジャジーラの広告枠買い取れ」◆
「『アル・ジャジーラ』(カタールの衛星テレビ局)の広告枠を買い取ることを考
えてはどうか」――。ビアーズ次官は先月初めの就任早々、タリバンの主張を世界に
伝える主媒体となっているこのテレビ局に、米政府が金を払って宣伝を出す構想を打
ちあげた。外交としては異色の手法に反対意見も出たが、本人は「われわれのメッセ
ージを伝える効果があるなら、広告を考慮する価値はある」と意にも介さなかったと
いう。
次官は、すでにテロリストの通報者に報奨金を払うキャンペーンも発案・実施し、
来週には広報戦略で新機軸を発表する予定だ。国務省によると、ウサマ・ビンラーデ
ィンを中心とするテロ組織の実態を暴露するユニークな刊行物を、アフガン周辺の1
2か国語版で作成する計画などを盛り込むという。
広告業界で30年間のキャリアを積んだビアーズさんは、大手代理店「Jウォルタ
ー・トンプソン」社と「オギルビー&マザー」社の会長を歴任した。活躍ぶりは、外
国の市民にまで届く情報外交強化の必要性を強調していたパウエル国務長官の目に留
まり、政治の経験は全くないにもかかわらず次官起用を大統領に強く推したという。
ただ、議会やメディアでは、「アメリカはビンラーディンの宣伝工作の前に、情報
戦争で負けつつある」との逆風が日ごとに強まっている。ブッシュ大統領以下、「対
テロの戦いであり、イスラム国民は敵でない」といくら繰り返しても、イスラム諸国
の誤解と疑念はとけない状況にある。
リーカー国務省副報道官は、新次官の就任1か月の業績を「文化や芸能は外交の代
わりにならない、政府が宣伝することは間違いではない、と教えてくれた」と評す
る。
ビアーズ流の攻めの宣伝外交は、対テロの国際包囲網を維持するひとつのカギとな
りそうだ。
◆泥沼化批判に国防長官苦言◆
【ワシントン2日=林路郎】「結局のところ戦争とは、数字、期限、短期見通し、
24時間ごとのニュースの締め切りとは無関係なものなのだ」――。ラムズフェルド
米国防長官は1日、アフガニスタンでの軍事行動に関する記者会見の冒頭で異例の
「国防長官声明」を読み上げ、米国民に長期戦争への理解と忍耐を求めるとともに、
「戦果」を連日厳しく追及するメディアに苦言を呈した。
米メディアには最近、「戦争はベトナム戦争のように泥沼化しつつある」(ニュー
ヨーク・タイムズ紙)のような論調が登場。会見でも報道陣から「空爆による市民の
犠牲者が増えているのに、目立った戦果はあるのか」など厳しい質問が続出してい
る。
長官声明は「こうした問いを私なりに考えてみた」と始まり、〈1〉同時テロは何
1000人もの犠牲者を出した〈2〉3週間の空爆は過去の戦争に比べればわずかな
期間〈3〉旧日本軍の真珠湾攻撃から日本の降伏まで4年近くを費やした――などの
視点の必要性を強調。「テロの脅威を撲滅するこの仕事の完遂には時間がかかる」と
訴えた。
長官は1日付ワシントン・ポストにも同趣旨のコラムを寄稿。目に見えない特殊作
戦を中心とする地味で長い戦いへの心構えを求め、国内の世論形成へ動き出したと見
られている。
(2001年11月3日)