投稿者 FP親衛隊国家保安本部 日時 2001 年 11 月 04 日 21:44:51:
アフガニスタン研究の権威で、フランス外務省顧問を務める仏国立科学研のオリビエ・ロイ博士は3日、毎日新聞の電話取材で、米国とパキスタンが取り組んでいるタリバン政権切り崩し工作が難航している現状に関連し、「タリバン最高指導者オマル師が死亡しない限り、『穏健派切り崩し』は実現しない」との見方を示した。
ロイ博士によれば、タリバン政権の政治、軍事決定に携わる「中枢部門」は「10人未満」で構成され、「中核」の中に穏健派はいないとされる。 同時多発テロの首謀者とされるウサマ・ビンラディン氏、99年にキルギスタンで国際協力事業団(JICA)の職員拉致事件を起こした「ウズベキスタン・イスラム運動」のナマンガニ氏も含まれるという。ナマンガニ氏は拉致事件後の昨年、「中枢に組み入れられ、現在はタリバン軍司令官だ」という。
ロイ博士は「パキスタンが中枢の外にいる政権関係者やアフガン社会の中に根を張るパシュトゥン部族の長らを切り崩しても、タリバンの軍事的減退にはつながらない」とみる。
また、ロイ博士は「パキスタン軍情報機関(ISI)にはビンラディン氏の支援組織『アルカイダ』の諜報員がおり、切り崩し工作などの極秘情報はタリバン側に流れている。先の第3勢力有力指導者アブドル・ハク氏の処刑はアルカイダの成果だ」と指摘した。それを踏まえ博士は「テロ予防を目的としたタリバンの壊滅には軍事攻撃以外に手はない」との見方を示した。